悪天候となったもてぎの金曜と土曜に関して思ったのはスーパースポートの
ロシアラウンドでした。

 チームライトスピード時代から知っていたアンドレア・アントネッリが大雨のレースで
命を失いました。

 レースの開催は大事。そして、レースが開催されるから色々なことがダイナミズムを
伴って動くことになるから無理をしてでもレースを当初の予定通り進めようとする。

 しかし、それでアントニオ・アントネッリは命を失ってしまいました。

 そして、ロレンツォ・ザネッティはかなり自らをメンタル的に追い込んでしまいました。

 先週のMotoGPのもてぎでの悪天候に関して、金曜日はドクターのヘリが飛ばないという
理由でキャンセルとなりました。

 日曜日のMoto3クラスのウォームアップは1コーナーの霧が理由で赤旗が掲示されて
セッションがストップしました。

 アンドレア・アントネッリの悲劇からレース業界が学んだことというのが活かされると
いうのは何か悪いことが起きないためにはいいことなのでしょう。

 霧や雨がコースを覆うことはありえることです。世界選手権のかかったレースは確か
に世界のトップの能力を有している人の集まりですが、彼らの能力を過度に評価して
どんなコンディションでも視界がかなり限られている状態でも走ることができると考え
るのは間違っていると思います。

 戦争が終わり、敗戦国が戦争の愚かさに気づくのは洋の東西を問わずに
世界中で見られる真実ですが、戦争に勝利した側が戦争の愚かさに気づくことは
ごくまれです。

 バッドコンディションのレースで負傷者や死者が出てからライダーの能力を過度に
評価していたことに気づくのでしょう。とんでもないコンディションでも運良くレースが
負傷者や死者が出なかった時にレース開催、続行の判断が実は間違いであった
ということはありません。

 アンドレア・アントネッリがレース界に残していったことを日曜日の朝の霧による
視界不良ですぐに赤旗が出たという時に濃厚に感じた私でした。

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