中田スカウト部長が今秋のドラフト会議に関しての戦略会議の後の取材に応じて
福岡ソフトバンクホークスの千賀を例に出して、方向性を示したそうです。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130611-1140803.html

 中日ドラゴンズというチームは中部地方で唯一のチームであり、地元のプレイヤーを
取ろうという意志や方向性が強い組織ですが、福岡ソフトバンクホークスの千賀という
愛知県蒲郡出身のプレイヤーを取れなかったことはそれほど責められることだとは
思わないですね。

 12球団ある中で、ドラフトの中で指名されることがなかったのは、それまでの千賀の
成績であったり、評価が低かったことが理由でしょう。

 常々思うのは、同じ年にドラフトで入団するプレイヤーと育成ドラフトやテストで入団
するプレイヤーがいるなかで、同じポジションでドラフトで選ばれるプレイヤーの方が
評価が高くて、球団側は大きなお金を用意して契約しようとする。反対に育成や
テストで入団するプレイヤーは評価が低いために金額的に少ない額である。

 千賀というピッチャーは12球団ある中でドラフトで指名されるほどの評価ではなかった
わけで、彼の高校時代の能力や成績は大したことがなかったということでしょう。

 福岡のチームは育成ドラフトの四番目に指名したということで、そこから現在の地位に
上がってきたということは彼の潜在能力を引き出した指導者の能力の高さや彼の
努力や練習量が成績につながったということやチームの事情などでチャンスが巡ってきて
それを逃すことなく評価を高めたということだと思います。

 同時に思うのは、同じ球団で同じポジションでドラフトで指名されて入団したプレイヤー
が活躍できずに育成ドラフトで入団したプレイヤーの方が活躍するということは
怪我でプレイできなかったとか指導者のコーチングが合わなかったということを除けば
色々な意味で実力がなかったということでしょうし、スカウトの見る目がなかったという
ことのように思います。こういう事態こそスカウトや編成の人が責任を感じる事態だと
思いますね。

 中田スカウト部長が千賀という地元出身であり、成績を残しているプレイヤーを
獲得しなかったということに対する責任感を感じた発言というのは違和感を感じますね。
高校時代にそれほどいいピッチャーであったら、ドラゴンズに限らず他の11球団も
払ってでも抑えに掛かろうと思ったわけですがそうではなかったわけで、今の彼と
いうのは低い評価を受けながら、本人の努力や練習と入団して間もないプレイヤーを
しっかりと育てることができた指導者の能力や方向性によって開花したものだと思います。

 まぁ、スカウト部長という立場から同じ球団の他のスカウトに対して磨けば光る
プレイヤーを見逃すなという新聞報道を使った叱咤激励という側面もあるのかなとも
思いますが。

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