ドイツの女子プレイヤーの中でゲルマン的な名前でない姓名を読んだり、
フランス人の中にフランス的でない響きの名称を目にしたりと色々な意味で
民族とか国籍とを考えたりする今のテニス界である。

 そんな中でふと思い浮かべるのはかつてのロランギャロの男子シングルス決勝
ですね。

 セルジ・ブルゲーラ対アルベルト・ベラサテギとのバトル。

 ブルゲーラはカタロニア人。ベラサテギはバスク人。この二人がクレイコート世界一
決定戦の最終日に残り、それをカルロス国王が見守る。この試合を政治的に利用
しようと考えた人はいなかったのだろうかとか、何かの発火点になることがある得る
と思った人も多いことでしょう。

 スペインは大変テニスがポピュラーなスポーツなんですが、マドリッドやヴァレンシア
出身者のプレイヤーがパリの最終日に残らずにスペインのパスポートを持った二人が
勝ち進んだのですが、スペイン語とは似ているが違いも大きいカタロニア語が母国語
のブルゲーラとヨーロッパの言語の中で非常に独自性の強い言語を話すベラサテギ。
ある意味、特権階級とか支配階級ではないバックグラウンドを持ち、体一つで世界で
戦うことができ、実際に世界の列強を破って世界最大のクレイコートトーナメント
で勝敗を決めるというところにテニスの面白さや素晴らしさを感じました。

 マドリッドの人たちやスペインにおける支配階級や王室に近い方々はどのように
思ってあの試合を見ていたのか考えながらよそがやらないことをやることが好きな
テレビ東京が放送しテレビ愛知がネットしていた放送を見ていました。

 錦織圭の活躍を喜びながら見ていますが、日本のパスポートを持っているが
在日と名のつく民族籍のプレイヤーとアイヌや沖縄人のプレイヤーがテニスの四大
大会の決勝に残り、栄冠を懸けて戦い、それを日本の皇室の方がパリの貴賓席で
見る日が来るのかわかりませんが、少数民族や移民の方でも日本を愛し、日本の
パスポートを持って世界を周り、世界で戦うプレイヤーが出てきたら面白いなぁと
思う私です。

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