難しく厳しく苦しい最終戦のレースを走りきりセバスチャン・ベッテルが
三度目のワールドチャンピオンになりました。

 タイトル争いをしているフェルナンド・アロンソの見事なドライビングと他者のリタイヤに
より、非常に悩ましい展開となりましたが、コース上でやるべきことを冷静に判断し、
しっかりとマシンをチェッカードフラッグを受けて僅差でタイトルを獲得したのは素晴らし
かったですね。

 日曜日のインテルラゴスで流れていた時間はベッテルにとってはとても長く感じたこと
でしょう。そして、レースを制するにはドライビングテクニックと冷静な判断能力が必要
であることをドライバーとしてチームとして初めての優勝が可能でありながらクラッシュで
文字通り水泡としてしまったドイツ人ドライバーとインドチームによって理解しました。

 長いシーズンを戦いワールドチャンピオンになるとなると、攻撃性だけでなく、
ディフェンシブな流れの中で出来うる限りの最高のポイントを獲得するレースも
あり、そこで焦らず我慢することができるのが世界を制するドライバーであると
いうことも言えるでしょう。

 タイトルを決定するレースでの順位としては物足りないものがあったかもしれませんが
ベッテルのブラジルグランプリは王者の走りそのものでした。

 果たして彼の世界タイトルはこれからどれだけ伸びるのだろうか。走り続ける
ドイツ人と初優勝を性急すぎるミスで逃してしまったドイツ人、そして、F1で二度目の
引退をする元世界チャンピオンのドイツ人を見て思った私でした。

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