かつて、力道山は敗戦のショックを引きずっている日本人に元気をつけるため、
テレビの普及のため、そして自分自信のお金儲けのために日本を代表するプロレスラー
としてリングに立ち、アメリカ人のレスラーを呼び、反則攻撃を受けて耐えながら、
エネルギーを貯めて、空手チョップという日本的な文化を持つ技で反撃し、勝利することで
日本人にエネルギーを与え、そして、日本テレビや三菱電機に大きな利益を与え
さらに自らは大金を得ました。

 その力道山の弟子であるアントニオ猪木は冷戦が終わり、素晴らしいアスリートが
難しく、厳しい環境になりそうだと思った時にグルジアに渡り、当時のソ連のスポーツ
関連の政治家や官僚と交渉を持ち、多くのロシア人を来日させプロレスラーとして
デビューさせ、さらにモスクワでの興業を行い、ロシア人がアメリカ人をやっつけて
ロシア人が幸福感を感じるという機会を作りました。

 その後、アントニオ猪木はプロレスの師匠のルーツである朝鮮半島に渡り、
アメリカ人の受身も攻撃も素晴らしい表現力を持つ、レスラーを招聘し、20万人の
観客の前でアメリカ人をやっつけて、師匠の母国のファンを熱狂させました。
そのアントニオ猪木がスケールが大きく、プロレスの存在しないところで興行を
しようと考えているようです。

 日刊スポーツの報道でアントニオ猪木はキューバから勲章が送られた報道を
知りました。
http://www.nikkansports.com/battle/news/f-bt-tp0-20121120-1049577.html

 報道ではアントニオ猪木は取材に答えて、キューバでのプロレスの興業に関して
も言及しています。

 日本での力道山のしたこと、モスクワや平壌で猪木自身がしたことを、弟子を
使ってやろうとしている気がします。

 以前、雑誌で読んでいたところ、メキシコでは、国民的な娯楽であるでプロレスの
リングでアメリカ人が悪役でリングに立ち、その憎たらしいアメリカ人を地元の
ヒーローであるメキシコ人がやっつけてメキシコ人のファンは満足しているようでした。

 キューバという国から勲章が送られるというのは、単なるプロレスラー以上の
行動力や政治力や交渉力があることでしょう。その猪木が反米感情の強い
キューバでプロレスの興行をするとなるとどんなプロレス的な演出を加えるのだろうか
気になるところです。
 

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