前回に続いて、サーキットで見聞きした話を書いてみたいと思います。

 ストック1000選手権に参戦しているフランスのFPレーシングというチームがあり、
このチームのバスの前を通ると声をかけられた。声の主はかつて、グランプリの500や
スーパーバイク世界選手権でプライベーターで走っていたフレデリック・プロタであった。

 彼の頭文字を取ってFPレーシングということであった。

 現役時代の彼というのはあまり人間的にいい印象を抱いていなかったのだが。
チームマネージャーという立場で色々なところに気を配ったり、動き回ったりする
必要が出てきたのは当然で、かなり話していて丸くなったなぁという印象を抱いた。

 まぁ、ライダーとマネージャーで重なる部分もあるのだろうが、自分だけの力ではなく、
メーカーや取引先との関係性を重視して、頭を下げることも多いわけで、性格的にも
変わってくるのだろう。

 イタリアのモーターサイクル協会の運営しているチームでマウリツィオ・ビターりと
ルーカ・ビターリの親子に会う。話しているところに写真を持ってサインを求めに来る
熱心なファンというのはたくさんいるのだろうが、そこに来るドイツ人のファンが白黒の
古い写真を持ってきた。髪が長く、ヒゲをはやしている写真で今より老けているような
印象の写真である。

 まぁ、パドックパスの入手がMotoGPよりは簡単だったり、つてがなかった場合でも
購入できるというのはスーパーバイクの良さで熱心なファンでライダーや元ライダーと
ふれあいたいという人にこういう機会が得られるのはいいことだと思う。

 ピレリのブースに行くと、何人かのチーム関係者がいて、色々と話をする。
カテゴリーは違うがMotoGPとスーパーバイクの両方に関する情報は当然飛び交って
いて、MotoGPに関しては来年、カレル・アブラハムがアプリリアのCRTで走ることや
ジョニー・レアのグレシーニホンダの可能性などの話になる。

 スーパーバイクに関してはアルテアドゥカティはチェカのBMWi入りはなければ、
現行のラインナップで来季も継続になるとか、レッドデビルドゥカティはミッシェル・
ファブリッツィオがやって来るとか、エッフェンベルトドゥカティは縮小体制になる
という話などが出ていた。ホンダに関して言えば、レオン・ハスラムのテンカーテ
ホンダの話が濃厚だという話やら、カワサキのサイクス、バスの残留話、
アプリリアの不透明な動向ということの話題になる。

 スーパースポートで走っているライダーの親父とあるライダーのマネージャー
がうだうだ話しているところに出くわす。

 有力なライダーはともかく、新人から中堅どころというのは払って乗っているというのが
多いわけで、そのあたりの話になる。

 かつて、スーパーバイクの参戦の可能性を考えていくら持ち込めば乗れるのかと
聞いてみたところ何とドゥカティのチームで50万ユーロという話をされたということらしい。
さすがに高すぎて、その話はなくなったということであった。

 スーパースポートはさすがにそこまでのことはなく、10万ユーロから交渉できるので
スーパースポートかMoto2クラスというところがライダーのスキルや持ち込める額や
スポンサーなどを考えて現実的なチョイスとなるだろう。ただ、来季のスーパーバイク
やMotoGPのレースの数やヨーロッパ以外のレースの多さを考えると15万ユーロを
持ち込まないと安心できないという感じではある。そこまでの資金調達ができないと
なると第二のチョイスとしてイタリア選手権やイギリス選手権ということになるようだ。

 来季のレギュレーションの話やカレンダーの話題などが多くの業界関係者の中から
出てきていたドイツの週末であった。

 

コメント