スーパーバイクのチェコラウンドが終わり、翌月曜日はプラハで用事を済まして
旅支度をして、女子の十万ドルトーナメントが行われているオロモウツへと向かう。

 以前はバスかチェコ国鉄のみであったが、現在はスチューデントエージェンシーが
レッジョジェットという電車を開設して、チェコ国鉄の線路や駅を使って運営している
電車でプラハから行くことができる。そんなわけでレッジョジョットをモノは試しに乗る
ことにして、オロモウツへ向かう。

 プラハのメイン駅から乗り、美しい景色を眺めながら、時々うとうとしながら、オロモウツ
到着。昨年のここのトーナメント以来である。

 駅前からトラムに乗り、街の真ん中の方に行き、昨年も泊まった学生向けの宿泊施設
のウビトナービィマリエに到着。五泊以上だと安くなり、さらにキッチンも洗濯機も使えて
街の真ん中に近いという考えられる中で最良の場所で泊まれることができて満足。
チェックインして、早速、大会会場へと向かう。

 オーダーオブドローを見たところ、我が愛しのマリア・エレナ・カメリンの試合はセンタ
ーコートの第二試合。もう、試合が終わってしまっているのかと思いきや、前の試合が
長引き第一セットの中盤であった。

 バックコートに観客席がないため、昨年と同様に角のところで見ることにする。
私の前の席はどうやらカメリンのコーチである。私がカメリンに声援を送っていたら
驚きながら、色々と話しかけてきたので、お相手する。

 いいプレイと良くないプレイが同居しており、ブレイクの応酬という展開でやきもきするが
フォアのストレートでエースを取ったり、サービスでエースを奪い、激しいしのぎ合いを制
して何とか第一セットを先制する。

 その勢いで第二セットの中盤までは一気に進んだのだが、そこから刺さなければ
いけない止めを刺しきれずに相手の反抗を許してしまう。

 かなりどきどきしながらも、いいサービスが決まったゲームをキープして、ストレートで
勝利。

 喜んでコーチと思われる人のところに来るときに私に気がついて、話し始める。

 私はこの大会の前の週にブルノで行われたスーパーバイク世界選手権のチェコ
ラウンドに行っていて、彼女のためにパスを用意していたのだが、チェコの着いたのが
日曜日の夜遅い時間ということでサーキットに行けなかったことを残念がっていた。

 まぁ、このオロモウツに来るには、飛行機だとチェコのブルノかプラハ。スロバキアの
ブラティスラバかオーストリアのウィーンということになるのだが、彼女は今回は飛行機
でなくて、車でやって来たという。少々、驚くが移動できない距離ではないので、希望に
沿ったチケットが手にはいなかったために車で来ることを選び、それ故に到着が
遅くなり、レースに行けなかったのだということであった。

 そんなこんな話しているところにナターシャ・ブルネットと彼女の母親が登場。
昨年のここの大会で会って、面識があるので、挨拶をする。

彼女の昨年のここでの活躍ぶりは素晴らしく、近い未来が楽しみだと思っていたのだが
一気にランキングをアップさせて、ここにやって来た。

 前の年のこと、最近のことなどをうだうだ話して、再会を喜んだ。

 クールダウンを終えて、カメリンが今日、夕食を一緒にしないかと誘ってくれた。
喜んで応じる私である。時間と場所を決めて、シャワーを浴びる彼女に別れを告げて
違うコートで試合を見る。

 昨年のここは五万ドルのトーナメントで、大会終了後、ブルネット親子と大会関係者が
話していた時に12年には七万五千ドルになるという話をしていたが、蓋を開けてみれば
十万ドルに予定を超えて格上げ。また、この週のWTA大会がかなり行きにくい場所で
の開催ということもあり、ヨーロッパの100から300位クラスのプレイヤーが押し寄せてきて
いて、十万ドルでありながら、かなりレベルの高い大会になっている。

 見る方は熱戦が続いて面白いと初日から感じる。

 雨が降ったり、止んだりして、戦う連中はやきもきするが、大会関係者はここの天気に
慣れていて、簡単にストップせずに試合を進めていく。そんな難しい中でも
勝っているのが強いプレイヤーと言えるのだろう。

 6時40分まで競り合った面白い試合があり、それを見終えて、一旦、スーパーに
立ち寄ってから宿に戻り、シャワーを浴びて、カメリンが宿泊しているホテルへと向かう。

 オートバイのレースの世界でもそうだが、テニスのプレイヤーで世界で戦っている
連中と食事をしたり、お酒を飲むのは楽しいもので、リラックスしている状態で話してくれる
ことに感心したり、驚いたりすることが多い。うだうだ昔のこと、昨年のマレーシアで
のこと、先週のレースのことなどを話す。

 場所を変えて、飲もうという話になり、街の真ん中の方へ行き、ビールをおごってもらう。
まぁ、たまにしか会えないし、翌日は試合がないということで、夜遅くまで飲みまくる。

 彼らが戻るということで、ホテルの入口までご一緒して、そこから千鳥足で宿に戻り、
明日のオーダーオブプレイを確認して寝る。
 

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