少々、遅くなったが、スーパーバイクブルノ日記。
2012年8月1日 スポーツプラハからいつものようにステューデントエージェンシーのバスでブルノに入る。以前はいくつかのきれいとは言えないバスでの移動であったが、この会社の出現によって、チェコの公共交通は大きく変わった。そして、それはさらに進化をしていて、ウェブでの予約や英語での情報収集など進めやすくなって、私のようにまだチェコ語が話せない人にとってはありがたい限りである。
ブルノのグランドホテル前のバスターミナルに到着して、中心街の街のインフォメーションセンターに行く。そこでこれからすぐにサーキットに入りたいと言い、行き方を教えてもらう。
教わった通りに駅前のトラム乗り場へ行き、トラムに乗り、メモしてくれたトラム乗り場で降りて、バスを探すが、同じ番号のバスが見当たらない。違う方のバス乗り場だと思い、そちらに移動するが見当たらず、片言のチェコ語でこの番号のバスに乗りたいがどこですかと尋ねると、もう一つ先までトラムで行って、そこで乗るはずだと言われて、またトラムに乗り込む。
かすかに記憶にある風景を見て、昨年と同じルートでバス停に行き、そこでしばらく待つ。そこでドゥカティの帽子にサーキットのTシャツを着た、私と同じようにサーキットに行くであろう人と会い、話すとこの老夫婦は今日はサーキットには行かなくて、近場の宿のあるエリアにバスで行くのだという。
バスが来て、乗り込む。バスの運転手にスタート地点でいいなと言われ、そうだと答える。
車内でスウェーデン人というバイク好きの老夫婦と話をして盛り上がる。まぁ、スウェーデンはグランプリもSBKもないので、レースを現場で見たいとなるとこうして大陸側にやってくるのだという。
30分ほどでスタート地点であり、サーキットの中央エントランスの前で止まってくれて、ここで老夫婦と別れて、中央入口に入る。
ここからパドックに入ろうとするが、何とここが閉まっている。
やむなくUターンして、レースの下準備をしている設営関係の作業員に聞くと、パドックはこの前の公道を周って、行かなければいけないという。かなりのハードワークだということを言い聞かせて、歩き始める。
このサーキットだが山の方にあって、映像で見るよりもかなりアップダウンが激しい。
そこを囲むようにできている道なので、当然、アップダウンがきつい中を荷物を背負って歩く。
こういったときに業界人が現れてくれたら拾ってくれるのだろうが、そうはいかない。
仕方なく、30分ほど歩いているときに一台のチェコナンバーのポルシェが私の横の止まって、私にサーキットに行く道を訪ねてきた。バイクの走行会のようなことでブルノサーキットに行くとのこと。そうしたらパドックの方に行って、事務方の建物で話をしないといけないということを説明して、悪いけれど道案内するから乗せていってくれないかと言って、無時、車中の人となる。
道中でレースのこと、日本のメーカーのことなどを話しているうちに関係者入口到着。お礼を言って、こういうことがあった時のために持っているステッカーを渡してお礼を言って、パドックに入る。
ピレリタイヤのエンジニアと会い、あいさつした後、エッフェンベルトのホスピタリティに行き、あいさつして、冷えたおいしいビールを頂く。重たい荷物を持って、30分以上歩いただけに体が水分を求めていたのだろう。体にビールがしみ渡る。
ここを離れて、しばらく歩いたら、SMSレーシングのマネージャーを会い、しばらく話す。ここでもおいしいチェコビールを頂き、満足。
ピットの方に入って、トスレーシングのエリアでイムル・トスと会い、しばらく冗談を言い合う。そこに親父がやって来て、インターモトカワサキの場所を教えてもらう。
歩みを進めると、BMWのジャーコモ・グイドッティと会い、あいさつをした後、アルテアドゥカティの連中と会い、その先のインターモトカワサキのピットに到着。
私を見ると、みんなが手を休めて温かく迎えてくれた。
そんな彼らへのお土産というのはいつもどおりDVDが付録についた日本のエロ雑誌である。喜んでくれて何よりだ。
荷物を置かせてもらって、しばらく会っていなかった業界人の方々と会う。ピレリのブース行くが、今回はロッシ親子のうち、父親の方が来ていない。なんだかさみしさを感じてしまう。10メーター先からピレリのブースを見ていたら、息子のダニエーレが何か書いていて、頭頂部を見ていると、頭の形も少ない髪の数も父親と同じなのでてっきりお父ちゃんの方も来ていたのかと思っていたが、今回は不在でサンマリノにいるとのことだった。
再び、ピットに戻り、過ごしていると、今日はホスピタリティではなくて、チームマネージャー、イギリス人エンジニアなどが宿泊しているホテルの中のレストランで宴会だという。私も呼ばれて、一緒に移動。
すでに到着していたファビアン・フォレと再会。ライバルチームの倒すべき敵だったり、同じチームに居たりと立ち位置が変わり、今年は私の友人のチームでタイトルを目指すということになっている。
ファビアンの彼女から『彼から多言語を話す日本人が来るということを聞かされていたけれど、実際にフランス語も話すのね』と言われる。カワサキや部品メーカーの日本人でフランス語を話す人がいないせいか珍しがられる。
ライダーのファビアンと飲めない人を除いて、チェコビールで乾杯。しばらくして、料理も運ばれて、盛り上がる。昨年はここでチームとして初優勝。今年はメーカーが変わり、ライダーラインナップも一新して、臨んで、浮き沈みはあるものの、前回のスペインで二位を得て、ここに乗り込んできた。調子のいいチームが迎えるホームレースという空気感が心地いい。
運転しない人以外がチェコビールを満喫して、今宵の宴は終了。さぁ、これから、レースウィークである。
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