小学校の修学旅行で行った京都や奈良の良さはあまりにも若すぎて理解できなかった。
ブラックコーヒーのおいしさは20年前には知らなかった。歳を取るということは残酷で
苦しいことだけではなくて、新しい発見や喜びを得ることにもなるものだ。

 ボクシング世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリ対プロレスリングNWF世界ヘビー級
チャンピオンのアントニオ猪木との異種格闘技戦が行われた時はまだ小学生でした。

 そして、70年代というのはまだまだビデオデッキが普及していない時代であり、商品化
権を有している人や組織がVHSなりDVDにするのに許諾を与えなかったら私のような
一介の市民があの試合を見ることはできませんでした。

 しかし、現在では動画サイトで見ることができ、これを見ていました。

 かつて、試合の翌日のスポーツ新聞や各メディアが貶していて全く評価されていなかった
試合ですが、今の時点であの試合を見ると非常に緊迫感のあるすごい試合だったと
思いますね。

 プロレス八百長論というものを持ち、あの試合を見ていた人、報道機関というのは
プロレス的な八百長を毛嫌いしていながら、実はアリの豪快なパンチや猪木のプロレス的
な必殺技を求めていたのではないでしょうか。

 レベルの高いファイターがリングにあがり、ガチンコ性が強い試合となるとこれは
相手のフィニッシュホールドを浴びたら一気に勝敗が決まることとなる。

 それ故にお互いディフェンシブな姿勢からほんの僅かなスキを狙って戦うことになる。
それは膠着状態に陥ることを意味するわけでそこにはアリの一発KOとなるパンチと
猪木のバックドロップや卍固めが出てくることとは遠い展開になる。

 当時の私は猪木が寝てばかり居て、つまらない試合だと思いました。それは
小学生の私が京都や奈良の良さがわからなかったことと同質だと思います。

 今の格闘技に対して理解できる目を持った人たちは京都や奈良を理解できるように
なった大人のように良さがわかると思います。

 ただ、できればいい画像でDVD化していただけたらなと率直に思いましたが、
権利関係がシンプルだったら今までに商品化されているわけで画像の粗さと
共にこの試合を多くのファンが目にして、色々な感想をもつことが現時点で可能な
ことなのでしょう。

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