ダビデ・ジュリアーノ、ついにスーパーバイク世界選手権参戦へ。

　才能がありながら、チャンスや運に恵まれなかったダビデ・ジュリアーノ
が今季ストック1000選手権を制し、タイトルを手土産にしていよいよ
スーパーバイク世界選手権に参戦を果たします。
http://www.motoblog.it/post/32631/team-althea-checa-e-giugliano-insieme-in-sbk-nel-2012

　ずいぶん、曲り道をしてきた彼でしたが、今年のシーズンは彼のレーシング
キャリアの中で最高のモノとなりました。

　私は彼とはアンダー20ユーロストック600選手権時代からの付き合いになります。

　大変、業界的な評価が高く戦闘力に劣るカワサキのバイクでトップ集団で
走る彼には注目してきました。

　その彼がスーパースポート世界選手権で走ることになり、チャンスを得て
どれだけやれるのとても楽しみだったのですが、そのシーズンのほかのカワサキ
ライダーが装着していたサスペンションではなく、チームの方針もあり
bituboというカワサキとは関係性が薄く、世界選手権レベルでの経験の乏し
いメーカーのサスペンションを使うことになり、思うように走れないシーズンを
送り、彼は挫折を知りました。

　その後、イタリア選手権でMV agustaやスズキのリッターバイクを走らせる
シーズンを送り、やはり能力があっても体制に恵まれないシーズンを過ごし
思ったような走りができない時期を過ごしました。

　その彼が2010年シーズンをアルテアドゥカティでストック1000選手権を
走ることになり、持っている能力を発揮できる体制をようやく手に入れました。

　今季の彼の活躍はここ数年の彼の走りを離れた場所で見ている人にとっては
サプライズだったり、マテリアルやチーム体制を評価するということになって
しまいがちですが、彼のことを以前から見ている人からするとナチュラルな
才能を有するライダーが能力を発揮できるバイクとチーム体制を手にして
思い通りの走りができるようになりタイトルを手にしたと理解しています。

　才能豊かなローマ人がストック1000のタイトルを獲得したのはラッキー
なだけでもマシンの速さだけでもチームの能力の高さだけでもありません。
彼には持って生まれた才能があります。

　不遇の数シーズンを過ごしていたときに会った時と今季パドックで会った
時の彼は同一人物でありながら、大きな違いを感じました。

　ストック1000のタイトルを獲得しチームのサポートを受け、同じチームで
いよいよスーパーバイク世界選手権に乗り込みます。

　ジュリアーノがどんな戦いを見せてくれるのか今から楽しみです。