さて、フランシス・バッタの明日はどっちだ。

　色々な話が出ていますが、今季に入ってから、カワサキへのスイッチや
浜松への訪問など様々な動きがあるなかで、フランシス・バッタはスズキと
続けるか、姿を消すかのどちらかと明言しています。
http://www.motocorse.com/news/superbike/30529_Mercato_2012_parla_Batta_Se_continuo_e_solo_con_la_Suzuki.php

　私はこの人のことが好きなんですが、業界的には相当嫌っている人も多く、
賛否が分かれています。まぁ、カテゴリーは違いますが、MotoGPでのアルベルト・
プーチやリービオ・スッポのように性格的にはよくないが成果は出しているので
いい金を得ているという人というのはいますね。

　そんな人によっては対応が難しくて、陰口を言われることが多いフランシス・
バッタですが、一部の報道ではロシアのスポンサーを獲得して、来季はファクトリー
チームで二台体制を組みたいと言っています。

　その一方でスズキは姿勢に消極性が目立ちます。

　90年代、2000年代のスズキの活動では日本人ライダーを突っ込み、開発の
方向性などに主導権を握るという部分と同時にタイトルを撮ろう。ライバルを
叩きつぶそうという強いいい意味での欲の深さや野望を感じました。
そこにはスズキの思いや明確な立ち位置などを感じ取ることができましたし、
そういった状態の中で世界タイトルを争ったり、実際にタイトルを獲得してきました。

　しかしながら、昨年と今年に関してはかつての口も出すが人もモノも突っ込んで
いい意味でフランシス・バッタとケンカしながらもマシンを開発して、世界の頂上
を目指すというものが見えてきません。

　昨年などはかなり世界チャンピオンへの大きな可能性がありながら、メーカー
としての積極性に欠けて、人もモノもお金もマックスのエネルギーでぶち込んで
何が何でもタイトルを獲ろうとしてきたマックス・ビアッジのアリタリアアプリリア
に王座を奪われてしまいました。

　今年のスーパーバイクのパドックを見ていると、スズキの色合いはかつての
濃度を感じさせるものではなく、フランシス・バッタとチームアルスターの
奮闘ぶりが目立つばかりです。

　何度も浜松に出かけ交渉を進めているフランシス・バッタとチームアルスターの
明日はどっちだ。