久しぶりにレースを見て涙が出ました。ステップレーシングチームのジーノ・
レアの鮮やかな走りと見事な勝利。あのチームと密接な関係を持っている私に
とって非常に歴史的な日でした。

 今年からチーム名をステップレーシングチームという名称になって、国籍が
ウクライナになっているこのチームですが、昨年までインターモトチェコ共和国
という名称のチームでした。

 このチームにウクライナから出資者が現れて、チームの名称と国籍が変わり、
マシンのカラーリングががらりと変更して今季、参戦を決めました。

 このチームの下部カテゴリーからの戦いぶりを長く見てきて、様々な苦労を
乗り越えて、チームの地元での勝利。すばらしかったですね。

 小さなチームの大きな勝利に涙した私でした。

 ピットで赤旗掲示による、レース終了が文字情報で現れ、スタッフが大騒ぎ
している時に椅子から転げ落ちて、少々具合が悪くなったチームマネージャーの
ヨゼフ・クビシェックの姿がありました。

 どうなることかと思いましたが、何とか無事に回復して、表彰台に向かう彼に
ほかのチーム、メーカーの人から祝福の声がかかる。ここまで長かったのですが
苦労が報われて本当に良かったなと思いましたね。

 理想と現実、やりたいこととやれないことの間で常に揺れながら、決断を
しなければいけなくて、この日が来るまで時間がかかりました。

 この優勝という結果を得るまでに撤退や国内選手権にステップダウンした
多くのチームがある中で、現実的に物事を判断し、世界選手権のパドックに
存在し、この日を迎えることができた。

 ジーノ・レアにとっても初優勝。そして、チームにとっても初優勝となり
ウクライナのチームというレーシングシーンでは唯一の国籍のチームが
勝利を挙げたというのは非常に意味のあることだと思います。

 将来有望視されているジーノ・レアにとって、出世レースとなり、
レースの歴史の中でウクライナのチーム、チェコのオペレーションの組織が
勝利するというのは今後のレースの世界に大きな足跡を残すことでしょう。

 素晴らしいレースを見ることができて、幸せな時間をすごした私でした。

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