本来、才能の豊かなライダーが能力を発揮できる道具を持ちえた時、実力を
何の障害もなく発揮することができる。ダビデ・ジュリアーノの素晴らしい走り
を見た時に改めてそう感じました。

 私とダビデ・ジュリアーノとの仲というのは結構、長いものになるのですが
彼がカワサキのマシンでストック600選手権を戦っていた時から関係者の中での
評価というのは高いものであり、私も彼のことをいいライダーであると認識
していました。

 彼にいいマシン、いいチーム体制があれば、今頃はスーパースポートか
スーパーバイク世界選手権で走れているはずなのにという思いを抱いていたのは
イタリア人のレース関係者だけでなく、私もそう思っていました。

 その彼がアルテアドゥカティ入りして、ストック1000選手権を戦うと知り、
これは彼のことを高く評価しているチームやメーカー関係者が相当尽力した
のだろうなと思いましたね。

 ミザノでのダビデ・ジュリアーノですが、非常に素晴らしい戦いぶりで
レースを支配しました。

 カワサキの600でスーパースポート世界選手権を戦っていた時には残念ながら
道具に恵まれていたとは思えず(当時のbituboのサスペンションは評価が低い
ものでしたが、彼の所属チームはこのメーカーのサスペンションをしようしていた)
イタリア選手権にステップダウンしてからも、チーム体制に恵まれていたとは
思えなかったのですが、今年の彼は持っている能力を発揮でき、タイトル候補
の一人として走ることができる。そして、思い描いたイメージの走りが
できた時彼はしっかりと勝ち切った。そんなレースでした。

 今年の彼はこれで弾みをつけて、シーズンを戦うことができるでしょう。

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