現在、発行されているテニスクラシックブレークで私の盟友である山岡新が
カザフスタン国籍を取ったテニスプレイヤーについて触れています。

 まぁ、ロシア国籍ではチャンスがないと思い、カザフスタンが国ぐるみで
いい話を持ちかけてきて、国籍を変更するという決断をしたのでしょう。

 そんなテニスプレイヤーがいるのが、現在のテニス界です。
プレイヤーはよりよい環境を求めて越境します。

 ロシア人だけに限らず、テニスという競技は全世界で大会が行われ、そこに
いい成績を収めようと多くの民族、様々な国籍のプレイヤーが戦っています。

 私とクリスティーナ・ムラデノビッチはフランス語で話します。しかし、
彼女は父親とはセルビア語で話します。バルカン半島の悲しい歴史や思いを
背負ってフランスに渡り、フランスのパスポートを手にしながら親とは
セルビア語で話し、プレイヤー仲間とは英語を使い、テニス界で生きていこうと
しています。

 ザリーナ・ディヤスと私はザリーナは日本語がイタリア語やフランス語を
話せない。そして、私はロシア語ができないし、チェコ語は片言なので
二割ぐらいをチェコ語で話し、八割を英語で話します。
カザフスタン国籍でありながら、チェコのプラハをベースにしている彼女
も間違いなく越境者です。

 その他にも現在ナンバーワンのデンマークのウォズニアツキ、フランスのレザイ、
ドイツのペトコビッチ、オーストリアのガイドソーバなども国籍と名前が
ぴったり合わないプレイヤーがいますが、彼女たちは親の代、あるいは彼女
の選択で間違いなく越境者であることを選択しました。

 その越境したものが持つ精神性というものがコートで炸裂しているのが現今
のテニス界だと思います。

 日本のテニス界には越境してきた人を受け入れるメンタリティや姿勢があれば
強いプレイヤーが集まる気がしますが、日本という国に魅力を感じないようであ
れば彼女たちはこないでしょう。

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