すでにレースの世界で来季の契約が決まっている人、複数年契約を抱えて
いるライダーなどは安心してオフシーズンを送れますが、才能ややる気はあるのに
話がまとまらないで、色々と動き回っている人がいます。私と長い付き合いになる
ニッコロ・カネパもその中の一人です。
http://www.motoblog.it/post/27070/niccolo-canepa-mi-piacerebbe-correre-in-superstock-1000-o-supersport

 彼との出会いは彼がU20ストック600選手権で走っていた時でした。
私のブログをご覧の方は大変よくご存じでしょうが、U20ストック600選手権の初年度の
火花散る衝撃と迫力に満ち溢れたコルティ対ティベリオとの戦い。
その陰に隠れてしまったのですが闘争心と冷静さを持つ走りでカワサキベルトッキのマネージャーのセルジオ・ベルトッキの親父を喜ばし、さらに急きょ空きがで
きたチームライトスピードカワサキでシーズン後半はストック600と共にワール
ドスーパースポートにも参戦。実力の一端を示し、その後、ドゥカティ陣営に移
りました。

 そこで、FIMカップストック1000選手権を制し、順調に出世をして、期待の
若手イタリア人ライダーとして上昇していくかに思えた彼に試練の時がやって
きました。

 MotoGPでの意外な低迷。心機一転を期して臨んだ今年のシーズンでの
Moto2クラスでの戦いはチームの消滅という形で終わり、私と彼はもてぎで
会えずに終わりました。

 その彼が今、来季の契約に向けて走りまわっています。

 才能はある。経験も若さに反比例して豊富である。その彼が能力を発揮する
環境を今のところ得ていない。

 彼はストック1000選手権あるいはワールドスーパースポートでの参戦を
考えているようです。

 どちらのカテゴリーで彼が走って、速いタイムをマークし、チャンピオン争い
しても不思議でもサプライズでもありません。

 果たしてニッコロ・カネパの明日はどっちだ。
彼には能力も経験も情熱もあります。ないのは走ることができる環境と契約
だけです。

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