マルコ・メランドリの言いたいことは痛いほどよくわかる。
 私とメランドリとの関係は99年の鈴鹿までさかのぼります。
人間関係ですからある時は近く、時に離れていたりするのですが、
いつでもどこでも親近感を感じる間柄であるのはデビューイヤーから
今に至るまで変わりません。その彼がジョバンニ・ザマーニのインタビューに
答えています。
http://www.moto.it/MotoGP/intervista-melandri.html

 浮き沈みがあった、MotoGPクラスでのこと、走ること以外に感じることが
あった最近のこと、そして、SBKへの転身のことなどを語っていますが、
そこで彼が話していたのは最近のMotoGPのパドックの空気感ですね。

 彼がストレスに感じたり、居心地の悪さを感じていたところなどは私も
同様に感じていました。

 私が彼やジャンルイジ・スカルビーニなどとパドックで夜遅くサッカーを
していたことなどはあの時期のグランプリのパドックだからできたことで
あって、今では難しいことでしょう。

 ライバルではあるが、業界の仲間であるという認識を共有し、戦いが終われば
ノーサイドであり、楽しく過ごしたパドックの空気感はなくなったとは言いませんが
かなり薄らいでしまいました。

 その空気感というのは、今のレースの世界ではSBKが持っているものです。

 私はライダーだけでなく、関係しているメーカーの方々とも話すことが多い
のですが、多くのメーカー関係者の方々がSBKのほうが仕事のしやすさ、
市販品販売へのリンクなどの点でSBKは素晴らしいと口にしています。

 その空気感を持った世界にメランドリが入っていくのは彼のレーシング
キャリアを考えるといいことだと思いますね。

 マックス・ビアッジやトロイ・ベイリスはMotoGPではなく
SBKの中で輝きを取り戻し、世界王者となり、キャリアの終わりに素晴らしい
走りと成績を残すことができました。

 メランドリと私との間に共有するのはラベンナのcoopの近くのbomber pizza
のpizzaは美味かったというものだけではありません。レースにまつわる
空気感なども同じものがあります。

 彼の言いたいことはよくわかります。その彼が新しいチャレンジで何を
見せてくれるのか楽しみです。

 (写真はかつてのドゥカティ時代のもの)

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