カレル・アブラハム初優勝。初めての体験はいつも特別なものだ。
カレル・アブラハム初優勝。初めての体験はいつも特別なものだ。
 いつもモータースポーツを見ていて思うのは初優勝と世界タイトル決定の
瞬間は特別なものだというものです。激戦のMoto2クラスで運に恵まれたとは
言え初めての優勝をしたカレル・アブラハムの表彰台での姿を見て、チェコ国旗
が掲げられ、チェコ国歌が流れて涙を流した私でした。

 彼が125ccで参戦を開始し、250ccクラスで走り始めたときに業界内部で
言われたのは彼は(彼のファミリーは)お金を持っていて走ることができる
というものでした。

 世界選手権初年度から稼げるライダーというのは限られているわけで払って
乗るというのは別に珍しい話ではありません。そして、小さなチームは同じ
能力を持っているならば、スポンサーなり持参金を持ち込めるライダーを
求めるものです。

 払って乗ることができるライダーというのが、いい成績を挙げて、もらって
乗ることができる。

 彼が割にいいスタッフに恵まれて走ることができるのは、父親を含めて
お金を用意できたからなんですが、その環境を生かすのも殺すのも本人次第。
今年の彼の成長には得ている環境を生かしている。そして、成長したなと
思えるものがあります。

 エリアスとイアンノーネが絡まなければ、彼が勝てる可能性は低くなった。
しかし、彼はしっかりと目の前に現れたチャンスをしっかりとモノにした。
世界選手権クラスでひとつ勝つのは大変だと思うのですが、それをしっかりと
成し遂げたのは事実です。

 ルーカシュ・ペシェックが125ccクラスで優勝して以来のチェコ人ライダー
の優勝であり、チームとしても初優勝。4ストロークマシンでのチェコ人の優勝
というのは初めてのことでしょう。

 私と会うと快く対応してくれて、チェコ語二割、英語八割で会話してくれる
カレル・アブラハムの初優勝は私の胸を打ちました。

 払って乗るライダーでも周りのやっかみの声を黙らせる鮮やかな優勝を
手に彼は来季、MotoGPクラスに参戦します。

 (写真はもてぎでのもの)

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