ミッシェル・ファブリッツィオの真価が問われる一年。
 トップライダーを探していたベルギーのチーム。勝てるマシンを求めていた
イタリア人。双方の思惑が一致して、契約に至り、オフィシャリーな発表と
なりました。
http://www.crash.net/world+superbikes/news/164268/1/michel_fabrizio_to_be_suzukis_sole_entrant.html

 まぁ、レオン・ハスラムがBMWに行ってしまったことでフランシス・バッタは
トップクラスで走れるライダーを探すこととなった。ゼロックスドゥカティが
なくなってしまいミッシェル・ファブリッツィオは他のチームと交渉すること
となった。

 お互いの考えが一致して話し合いを持ち、双方の条件が整い、公式発表に
なりましたね。

 このローマ人は実は以前にもチームアルスターで走っていたことがありました。

 グランプリの125ccで失望の一年を送ったのちに、何と125からリッターバイク
へ走るマシンとカテゴリーを変えてきました。ストック1000選手権にコロナ
アルスタースズキでスズキのリッターバイクを走らせることになったのが2003
年のことでした。

 この時のストック1000選手権というのは実にレベルの高い争いになっていました。ロレンツォ・ランツィ、ジェームズ・エリソン、ジャンルカ・ヴィッツィエッロ
とのタイトル争いを制してストック1000選手権を奪ったのがミッシェル・ファブリッツィオ
でした。

 その後、彼はMotoGPでWCM、APRILIAを走らせ、スーパースポート世界選手権
でホンダの600、スーパーバイク世界選手権でホンダのリッターバイクで戦い、
チームを移籍してドゥカティの1098,1198と乗ってきました。

 この間、彼は色々と学習し、進歩を見せて勝てるライダーとなってきて、
古巣での戦いということになりました。

 来季のアルスタースズキですが、オフィシャリーな発表なないものの、
ファブリッツィオの一台体制となるのは確実です。

 それはメリットもデメリットもありますね。

 ライダーが一人しかいないということであれば、開発する上で彼の好みの
バイクのセッティング、彼のライディングスタイルに合ったマシンづくりが
可能となる。それがうまくいけばタイトルを争うのに大きな武器を手に入れる
ことができる。

 しかしながら、逆に言うとライダーが一人で開発することによって、
開発の方向性が間違った時には修正したり、違う角度の意見を言うライダーが
不在であるということで暗黒の一年を送ることになりかねない。

 ある意味、ミッシェル・ファブリッツィオの開発ライダーとして、そして
レーサーとしての進化と真価が問われる一年になりそうです。

 私は彼がホンダの600で走っていた時に彼の近い場所にいたことがあります
が、開発という部分では他のライダーに劣っていたという印象を抱きました。

 しかし、その後、世界選手権格式で勝てるというのは、特別なものを持っている
のだろうと考えています。

 果たして彼の来シーズンがどうなるのか、楽しみです。

コメント