アレックス・デアンジェリスとの短い会話。

　もてぎのパドックで久しぶりにアレックス・デアンジェリスと会って話を
することができました。

　私はパドック入りしたのが木曜日でした。ただ、木曜が雨であまり人が外を
歩いていないので、ライダーやメカニックと話すことがなかったのですが、たまたま
アレックス・デアンジェリスとすれ違い、すこしだけ話すことができました。

　ただ、いつもの彼ではなかったですね。

　私と彼との間ですから、会えば普通にイタリア人の業界人と接するように対応
してくれるのですが、今回は違いました。

　そこでミザノでのことがやはり彼の心の大きな部分を占めているんだなと実感
しましたね。

　また、普段からイタリア人的発想だし、私のイタリア語のなまりもリミニ方言
でサンマリノ人の彼とはほとんど変わらないのですが、とは言っても私は日本人
なわけで、彼が日本人の業界人と接するときに色々な思いがあるのだろうなと
態度から感じました。

　今、サーキットにいて一番苦しい立場であるし、様々な思いを持っているのが
彼でしょう。日曜日のレースであの最終ラップの攻防で思わぬミスをしてアブラ
ハムに三位の座をさらわれたのは彼の精神状態が完璧でないからではないかと
想像してしましました。（もちろん、そこを見逃さずに大胆にオーバーテイク
したアブラハムの成長と闘争心も素晴らしいのですが）

　私は彼の兄貴が所属していたチェコのスーパースポートのチームと深い付き合
いがあるので、アレックスのことも気にしながら、ウィリアム・デアンジェリス
の近況を聞いていたのですが、そんな話題の時でも今までに見たことがない表情
でした。

　果たして彼は再び輝くことができるのか、気になります。

　アンドリュー・ピットは明らかに当たったのか、かすっただけなのか、
あるいは接触がなかったのか映像ではわかりませんが、多くの人が当たった
と考えていたブランズハッチのクレイグ・ジョーンズが亡くなったあの事故
以降も走り続けて二度目の世界王者になりました。

　はたしてアレックス・デアンジェリスの未来はどっちだ。
芳賀のチームメイトとしてアプリリアのSBKマシンを走らせるのかという
話題とともに気になります。