レース1を制したのはスタートから逃げを打って、ライバルを寄せ付けなかった
ミッシェル・ファブリッツィオでした。そして、レース2を勝利したのはレオン・
ハスラムでした。どちらもレースも今の彼らの充実ぶりが感じられましたね。

ミッシェル・ファブリッツィオがモンツァで勝った時はベン・スピーズの
ガス欠で転がり込んできた勝利でした。また、彼にはまだ勉強したり経験
しなければいけない部分が感じられたのですが、今回のレース1の価値ある勝利は
チームの運気が下がって来ていて、難しいレースが続いている中で、しっかりと
レースをマネージメントして、相手を寄せ付けずに勝ち切ったところに彼の
成長ぶりを見ることができました。

レース2でのレオン・ハスラムは五台の優勝争いでタフな相手がテールトゥ
ノーズの激しいバトルをしている中で、攻めるところと守るところを熱い心を
持ちながら、頭は冷静に判断して、ジョニー・レアを攻略して、最終ラップに
リードを広げて、勝ったところに今の彼の能力と勢いを感じることができました。

私自身、この南アフリカでの二人のウィナーには低い評価をしていました。
理由は簡単でファブリッツィオは現在、ハスラムはかつて芳賀のチームメイト
であったのですが、芳賀というライダーの出すタイムを測定基準として
ライダーの能力を測っていて、劣るところがあるから、評価は渋いものに
なっていました。

しかし、今回、この二人の走りと成績を見ていると、その評価を改める時が
やってきたのかなと思っています。

キャリアでベストの走りをした彼らは今は勝てるライダーです。
そして、今季のスーパーバイクは実に難しくタフなレースが続きます。
そこで、しっかりとレースをマネージメントして、望み通りに勝ち切った
彼らはトップライダーの仲間入りをしたと言えるでしょう。

若くて、元気のあるスターが世の中を変えるのは、日本の女子ゴルフだけ
ではありません。

ローマ郊外のサーキットがスーパーバイクのカレンダーに戻ることや
かつてはイギリスでは三回レースがあったのに、今では一回になっていることに
不満を感じている人が若くて元気があるライダーの勝利からビジネスチャンスを
考える可能性が出てくるのではないか。
そんなことまで考えてしまう南アフリカの鮮やかな二つの勝利でした。

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