見事なハスラムの優勝でした。スタートから圧倒するようなレースには
ならなかったのですが、しっかりと序盤ペースを作り、長いレースを
きちんとマネージメントして、自分の強い部分、いいマシンの長所を
出して、ライバルを抜き去っての勝利でした。勝ち味を覚えたハスラムの
進化と今季のスズキのマシンの強さを感じましたね。

地元のファンはカルロス・チェカの勝利を願っていたのでしょうが、
残念な結果になりました。

ファクトリードゥカティのミッシェル・ファブリッツィオとサテライトの
カルロス・チェカとシェーン・バインが転倒してしまい、戦前の予想に反して
彼らが活躍する場面が見られなかったのですが、これは何だかドゥカティの
ライディングの難しさを垣間見ましたね。

イタリアのLa7の解説はわが友マウロ・サンキーニで、彼はドゥカティの
フロントの接地感や違和感があるのではないかと話していました。

 転倒後にピットに戻ったミッシェル・ファブリッツィオにピットレポーター
のファブリッツィオ・カリアが尋ねていて、ローマ人のライダーは
『フィリップアイランドの時から、どうもフロントサイドの違和感を感じていて
それが、ここでも出ていた。それが転倒の理由だ。』と話していました。
これはファブリッツィオと同じドゥカティを走らせるチェカとバインが同じように
フロントから転んだ理由にも該当するのではないかと思えますね。

 BMWのコーサーはいよいよフロントランナーの仲間入りという感じがするのですが
バレンシアというサーキットがコーサーというライダーに合っていたのか、
彼が使っているブレーキがBMWのマシン性能を引き出していたのかという
見方もできるので、アッセン、モンツァを見て、BMWの競争力を理解したいと
いう感じもあります。(プレシーズンテストでBMWは二人のライダーに違う
ブレーキメーカーのマテリアルを試させていたのですが、コーサーは速さを
見せたが、チャウスは違和感を感じて、速く走れなかった。)

 ハスラムの強さと勢いと同時に様々なことを感じさせたレース1でした。

 

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