バンクーバーオリンピックのアイスホッケー男子のファイナルというのは
歴史に残る素晴らしいバトルでした。スピード、パワー、テクニック、ストラテジー
全てが最高峰のレベルの戦いをすべてのピリオドとオーバータイムスに途切れること
なく続けたベストマッチでした。そして、そのベストマッチにベストマッチだった
実況があったから、観る側の私も興奮し、楽しむことができました。

実況が近藤敏之、解説が信田憲司という二人のコメンタリーだったのですが、
これが素晴らしかったです。

競技に対する理解と確かな知識などが浮かび上がり、会場の興奮とともに
素晴らしいバトルとともに私たちに伝えられました。

かつて、競技は違いますがスーパーボウルのサンフランシスコ49ersが勝った
時ですが、試合は素晴らしいものでしたが、日本テレビの実況が吉田慎一郎
で、ゲストに長嶋茂雄。これは日本テレビ内の様々な状況からこういった
人選がされたのでしょうが、どうもアメリカンフットボールに対する愛とか
理解力、知識があったようには思えなく、いい試合だったのに、ただ目の前
の状況を追いかけるだけの実況でした。

素晴らしい試合も伝える側の競技に対する愛とか知識がないと、いけない
わけで、日本テレビ内におけるアナウンサー部門の序列といったことや
番組制作者の考えがそういったアナウンサーとゲスト解説の選択につながった
のでしょうが、あれはダメダメでした。

日本テレビも反省したのか、翌年からはスーパーボウルは競技に理解力があり、
知識のある若いアナウンサーを使うようになりました。しかし、その時は試合の
内容が前年より劣るものでした。

今回のバンクーバーオリンピックのアイスホッケー決勝は試合内容もベストマッチ
でしたし、そのベストマッチにベストマッチのベストなコメンタリーで、大満足
でしたね。愛とか好きから発生するエネルギーやパワーが近藤氏、信田氏から強
く感じられました。

あのコメンタリー体制の選択には局内の事情が透けて見えることも、強い違和感
なども感じることなく、楽しむことができてよかったですね。

フェデリコ・フェッリーニの映像にニーノ・ロータの音楽が必要不可欠だった
ように、今回のバンクーバーオリンピックのアイスホッケーには近藤敏之の
アナウンスと信田憲司の解説が必要だったと思いました。



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