ローマをベースにしたアルテアチームにとって、今年は大きな変化の年でした。
アレッシオ・コラーディとともにヤマハのマシンでスーパースポートを戦い、
そこからホンダへスイッチして、スーパースポートクラス参戦。そして、その後
手を広げて、スーパースポートとスーパーバイクを戦ってきました。
その彼らが、ある種の限界を感じ、変化を求めてドゥカティへスイッチ。
そして、ライダーの選択に能力と経験を最優先にしてチョイスして
カルロス・チェカと契約しました。その、ドゥカティのマシンとスペイン人
ライダーという組み合わせが大きく実ったのがフィリップアイランドのレース2でした。


このマシンは速い。そして、カルロス・チェカには経験も速さもある。
もともと能力があるライダーがいいマシンとチーム体制を得た時に持っている
力を発揮できる。昨年、いいシーズンとは言えなかった彼がやりたいことを
できる環境を得た時にトップグループで走れるようになりました。

優勝争いはレース1のウィナーのレオン・ハスラムのスズキ、ミッシェル・
ファブリッツィオと芳賀紀行のファクトリードゥカティ、シルバン・ギュントリの
スズキ、そして、カルロス・チェカのアルテアドゥカティでした。

第一レースでタイヤ選択でベストとは言えない選択をしてしまった彼ですが
路面温度があがり、第一レースの失敗から学んだ彼は序盤を抑え気味に走り、
タイヤをしっかりとセーブします。

終盤トップグループで走れる中で、彼はライバルの走りをしっかり観察して
抜ける場所と自らが速く走れるコーナーを理解していました。

彼の経験とライバルのマシンとの性能差をしっかりと理解して、最終
ラップの勝負に持ち込み、シケインの入り口で勝負を仕掛けて、しっかりと
抜き去り、トップでチェッカーを受けました。

チェカにとっては08年のアメリカラウンド以来の勝利。そして、チームに
とってはこれがスーパーバイククラスでの初勝利になりました。

二位にハスラムのスズキ、三位はミッシェル・ファブリッツィオのファクトリー
ドゥカティ、四位はシルバン・ギュントリのスズキ、最終ラップに少し
離された芳賀のファクトリードゥカティが五位でした。

昨年のスーパーバイク世界選手権での勢力図からは考えられないスズキと
ハスラムの競争力の高さ、カルロス・チェカとアルテアチームの強さが
フィリップアイランドの高速サーキットで爆発したレースでした。



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