昨日のザリーナ・ディヤスのクルム伊達公子との試合は期待感はあったのですが、
結果的にはワンサイドの展開になり、敗戦となりました。しかし、彼女には
可能性と強い欲望を感じます。

昨年の大阪スーパージュニアで私と彼女(と彼女の母親)と初めて会ったのですが、
非常に強い野心と柔軟性を感じましたね。

まぁ、テニスに掛ける気持ちがあって、最初はスペイン。その後チェコのプラハを
ベースに活動していて、活動をしています。そんなわけで、プラハオープンでは
ワイルドカードをもらって、QFまで行きました。

昨年の大阪スーパージュニアではトップジュニアプレイヤーであるムラデノビッチとの激しい
叩きあいを制して、SFまで行き、そこで奈良くるみに負けてしまったのですが、
非常に強いインプレッションを抱きました。

その後、再会したのは岐阜の五万ドルのカンガルーカップ。
彼女は500位台だったので、予選に回らなければいけなかったのですが、
彼女は上位ランカーの胸を借りるとか、どこまでやれるのかなどということは
考えることなく、勝ちに来ていました。

そして、予選を勝ち上がり、本戦も素晴らしい戦いを見せて、QFまで来ました。

砂入り人工芝というどう考えても日本人プレイヤー以外には難しいサーフェース
なんですが、かつて、岐阜、福岡の二週連続の五万ドルチャレンジャーを
戦ったイバノビッチやペンネッタのように、強いプレイヤー(あるいは極めて
近い将来に強くなるであろうプレイヤー)はどんなサーフェースでもアジャスト
してきて、しっかりと足を使って、しっかりとボールを叩いていました。

オフコートでは駅弁のたくさんの種類を目にして、どれにしようかと悩みながら
考える普通の15歳の女の子ですが、スリクソンのウェアを着てダンロップのラケット
を握った瞬間から(昨年の大阪スーパージュニアの二回戦までは上がアディダス、下がナイキ、ラケットはテクニファイバーだったがQFでは上下スリクソンになり
プラハに戻ってからダンロップになったようです)プロテニスプレイヤーの
メンタルを持つことができています。

まぁ、ひとつの10万ドル大会だけのためにプラハから来るのかというと、
まともに考えれば、そうではないわけでして、かなりの確率で来週の大阪に
出てくることを考えているでしょう。

そんな世界を目指すプレイヤーに必要な野心と欲望を抱いたディヤスが昨年
いい思い出を持ち、成績を残し、上下違ったブランドに身をまとった彼女が
ダンロップとのいい契約を得るに至った大阪でどんなプレイを見せるのか
楽しみですね。

予選を戦うにしても、彼女は勝つことを考えて乗り込むことでしょう。

私はロシア語が話せないので、二割ぐらいのチェコ語と八割の英語で話すのですが
私のチェコ語をほめながら、的確に丁寧に英語で応対してくれる姿には世界を
目指す強い野心を感じさせます。そして、その上に行くんだという気持ちが
彼女のフォアハンドのたたき込みに昇華されています。

彼女の来週の予定はまだ、オフィシャリーには発表になっていませんが、
これから出てくるプレイヤーを見たいと思うテニスファンは彼女のプレイを
見た方がいいと思います。親しみやすいアジア的な表情とはかけ離れた
いい意味でがつがつしたメンタルは怪我さえなければ、明るい未来を
感じます。

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