しばらく、アルゼンチンではテニスの国民的なヒーローやヒロインが不在でした。
ドイツでベッカーとグラフが出てきた時は大会やスポンサー、週末プレイヤーの
数など大きな潮流が生まれました。
アルゼンチンではどうなるのでしょうか。

デルポトロの素晴らしいキャリア初のグランドスラムイベントの勝利は様々な
波及効果を生んでいるようです。

地球規模の崇高なるツアーであるATPツアーを周っていると、なかなか
母国に帰ることはできなかったりするのでしょうが、シーズン中に彼が
凱旋帰国しました。
http://it.eurosport.yahoo.com/18092009/45/delpo-torna-sua-tandil-eroe.html

まぁ、大変な騒ぎになっていたようですね。ブエノスアイレスから350キロ
離れた故郷では凱旋パレードを催し、彼の勝利を祝福しました。

アルゼンチンからいいプレイヤーは出てくる。しかし、四大大会には手が
届かない。
しかし、デルポトロはニューヨークでファイブセッターのスリラーを制しました。

勝利に飢えていた人、テニス界のヒーローに飢えていた人にとっては美しい
エクスタシーを得られたことでしょう。

昨年のオーストラリアの勝利の後のセルビアでの盛り上がりなど
五年前までは考えられなかった事象です。

もし、日本人が四大大会を制したら、何が生まれるのでしょうか。

錦織のデルレイビーチの時に我々は日本人ツアープレイヤーのATP大会勝利という
松岡修造以来の勝利(ということの意味は彼以降、誰ひとりツアー大会で
ファイナリストになることがなかったというかくも長き不在をあぶりだした)
以来の成功に悦楽を得ました。

勝利に飢えている人たちに快楽を提供できるのは、成功を求めているハングリー
なプレイヤーです。

錦織は200位台中盤にいた時にデルレイビーチに行き、予選を戦い、勝ち抜いて
ツアー初勝利に結びつけました。

その時に日本の男子のほとんどのトッププレイヤーは日本リーグというツアーの
ポイントとは関係ない試合で同じ日本人同士で試合をしていました。

ツアーのポイントが欲しい。勝利が必要だと思って、それを実行できる人が
大きな夢というか、強い欲望を持っていて、それを貫いてビッグタイトルに
届くのだと思います。

デルポトロはUSオープンを奪うという大きな夢とフェデラーに勝つという強い
欲望とを持ち合わせていて、それを叶えることで、今週、故郷に凱旋帰国しました。

彼の町のパレードにはテニス界で飢えている人と強いプレイヤーを求めていた
人たちの欲望が美しく混在していました。

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