カワサキの撤退にエントリー台数の減少。MotoGPの参戦費用のインフレに
加え現状の経済状況で何かエントリー台数を確保しようと考えている人が
考えたのはかつてのF1におけるコスワースエンジンのような安価で色々な
車体にマッチするようなレーシングエンジンの存在でした。
http://www.gpone.com/news/News.asp?NNews=5343


しかしながら、どうもこの発言というのはかなりバランスの悪い発言に
思えますね。

最高峰クラスが500ccだった90年代にメーカー直系チームと資金のある
チームのみではいけないという業界的な判断が働き、ホンダが500ccの
Vツインエンジンのマシンを開発しながら、小規模チームに供給したという
ことがありました。

そこで、小さなチームが大きな野望を持って乗り込んできてホンダの
二気筒のバイクとグレシーニホンダのアレックス・バロス、テクマスホンダ
のレジス・ラコニが勇敢な走りで特に上位に食い込む走りを見せて、
小さなチームに希望を与えました。

しかしながら、その翌年以降はホンダのツインシリンダーのバイクは競争力
を失い、エントリー台数は減っていきました。

そんな中、市販のホンダの二気筒のマシンで活動をしていたチームも様々な
業界的な環境の変化によって、消えていきました。

MotoGPクラスの出現でホンダの二気筒マシンで活動していたチームはカテゴリー
を替えるということになりました。そんな中、ピーター・クリフォードが
一度、規則の上ではホンダの二気筒でもMotoGPクラスの参戦が可能であるという
事実から、リッター1000ccのマシンに対して、500ccのバイクを使って
参戦していこうということを考え実行しようとしましたが、これは様々な
圧力や業界環境によって、彼の企てはぽしゃってしまいました。

歴史的に小さなチームが低予算で参戦したことはありました。
そして、それが成功したこともありましたが、残念ながら、続かないものでした。
また、クリフォードのように低予算で小さなチームで戦おうと考えた人が
できないこともありました。

現在、コスワースのような80年代前半までのF1で存在したような安くて
質が良く、簡単に変えて、車体に搭載できるようなレーシングエンジンを
MotoGPの関係者が口に出すのは、表現の自由の範囲内なんでしょうが、
それをやるにはまず業界環境の整備が必要だと思います。
それをする前にコスワースが必要というのは私は98年あたりの二気筒ホンダ
マシンユーザーの苦い思いを知っているだけに強い違和感を感じます。

仮に安いエンジンなりマシンが出てきても、莫大な額を使って参戦しながらも
上位はメーカー直系チームに走られてトップテンに入るのもしんどいという
ことでは参加チームもいないだろうし、払うスポンサーも出てこないと
いう思いもあります。




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