フェリッペ・マッサがハンガリーで生命にかかわる事故に遭い、その後の展開で
どうなるのか見守っていたところ、シューマッハーのカムバックという話に
なり、心わくわくでいました。しかし、彼は今のF1のドライブに首の痛みが
耐えられず、レース復帰をあきらめました。マッサのマシンにはテストドライバー
のバドエルが乗ることになりました。

まぁ、ドイツのファンにとって、フェッラーリのファンにとってとても残念
な結果になりましたね。

ドイツ人にとってはそれほどいいドライバーがいなかった時に、一気に
世界の頂上に上り詰めて国民的なヒーローになりました。

暗黒の時代を送っていた時にシューマッハーがマラネッロに現われて、
フェッラーリを変えて、黄金の90年代を作り上げました。
イタリア人にとって、シューマッハーは救世主であり、スーパースターでした。

ドイツ人にとって、イタリア人にとって、今回のシューマッハーの復帰は
明るさをもたらすものでしたが、彼のフィジカルコンディションはそれを
許しませんでした。

ターボの時代ではなくて、エンジンの気筒数が決められていている規則の
中ではエンジニアはコーナリングスピードに心血を注ぐことになります。

そして、レーシングマシンはレースごとに進化します。日進月歩どころか
秒進分歩なのが、F1の世界です。

そんな中で二年以上のブランクは大きいものがあり、彼の首はレーシング
スピードの中では耐えられないものでした。

ドイツ人とイタリア人の失望は大きいものですね。

しかしながら、ドイツ人はともかく、イタリア人は気持ちを切り替えていける
ことでしょう。

マラネッロは契約にナショナリズムを持ち込むことがありません。
そんなフェッラーリにはイタリア人の不在の時代が大きかったですね。
実際にミケーレ・アルボレートの後にイヴァン・カぺリが加入するまでに
かなりの時間がありました。

イタリアという国ではF1が好きな人が多いのですが、日本人とは
かなり好きの内容が違いすぎます。

 彼らにとって、F1というのは90%がフェッラーリであり、残りの10%が
イタリア人ドライバーです。

 イタリアのテレビ局のLa7のファブリッツィオ・カリヤは私と仲がよく
サーキットで話すような仲ですが、彼は95%がフェッラーリであり、5%が
イタリア人ドライバーだと話しています。

 そんなところでもうすぐモンツァのレースがあります。
イタリア人はリアル100%のF1を見ることができます。
バドエルにとって、大きなプレッシャーでしょうが、これ以上ない素晴らしい
チャンスでもあります。

 ある人にとっては残念なニュースは違う人には大きなチャンスになります。
これからの残りのレースを楽しみにしたいと思っています。

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