四月二十六日 日本グランプリの決勝日である。

六時半に水戸を出て、七時半にピット到着。相変わらずマウリッツィオの
グッドジョブである。

前日の午後が全てのクラスの予選がキャンセルになり、日曜朝のウォームアップ
はいつもより時間をプラスして行われることになった。

しかしながら、天気しだいというところはすべてのカテゴリーに言えるため、
ドライ用のセットアップとレインを見越した設定を考えなければいけない
難しい決勝日である。

 
 125㏄

正午スタートなった、このカテゴリーであるが、ダミーグリッドにライダー
が現れた時には、まだレコードラインはウェットのままであった。

 タイヤチョイスに悩まされる中で、それぞれが自らを信じてのセット
アップとタイヤチョイスを行った。

 オールクリアとなり、レーススタート。最初の三周に快調に速さを見せたのは
レインタイヤを装着したライダーである。

 しかしながら、路面は急速に乾き、逆に四周目以降の走りはインターミディエイト
やカットスリックを選んだ連中がラップタイムを更新しながら前を追いかける。

 中盤を迎えるころにはレインタイヤユーザーはタイヤの消耗に苦しめられ
ながらの走りとなった。

 そんな中でレース中盤からどんどん追いかけてきたのが、アンドレア・
イアンノーネであった。

 私はてっきり満タン状態で、何かしら不具合があったのかとおもっていたの
だが、彼は実はドライタイヤを履いて、レースに臨んでいたのだった。

 そんなわけで、残り僅かになり、イアンノ―ノが他の誰よりも速く走れるように
なり、最後は余裕のサンデードライブで優勝を奪い取ったのであった。

まぁ、誰も考えないことを予想して賭けをする人が万馬券を当てることが
できるわけで、他のライダーがインターミディエイトやレインを使う中で
自らの予想を信じてドライを選んだイアンノ―ネと彼のクルーは勝利の美酒を
味わうことができた日曜の午後であった。


 250cc

 誰もがドライセッティング、晴れ用のタイヤを選んだレースとなったこのクラス。
 そのレースで光輝いたのが青山であった。

 もはや開発が終わったと言われるホンダの250㏄のマシンを駆り、日本の
ファンの前で勇敢さに満ち溢れた走りを披露。一時はトップを走行した。

 その青山を抜き去っていったのが今回復帰のシモンチェッリ。実に
高いレベルの速さと安定性を見せた彼の姿が小さくなっていくのを甘受
せざるを得ないライバルライダーとチームであった。

 そのシモンチェッリの優勝は疑いのないものであったが、何とフロントタイヤ
の問題が生じてしまい、緊急ピットインを余儀なくされて、優勝戦線から
脱落してしまう。

 トップに立ったのはアプリリアのバウティスタ。二番手に青山で、地元の
レースで何とか勝ちたいと思う青山であったが、バウティスタは安定した
速さを持っていて、アンビータブルであった。

 悔しさと悲しさと入り混じり、涙を流していた青山に大きな声援が
送られた日本グランプリの250㏄クラスであった。


 MotoGP

 ヤマハファクトリーとホンダファクトリーの二メーカー四人のライダーの
トップ集団となり、どんなレースになるのかなと思っていたが、ロレンツォが
トップに立ち、ロッシは二番手をきっちり防御して、三位以下のライダーに
パスを許さない。

 スタート直後中位集団に沈んでいたドゥカティのケーシー・ストーナーが
追い上げて五番手まであがるが、そこからは前が遠く、先に行けない。

 結局、ウィナーがロレンツォ、二位にロッシ、三位にペドロサという
動きや変化の少ないレースとなった。


 

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