わがレーシングデイズ日本編 その四
2009年5月1日 スポーツ四月二十五日
朝の六時五十分にホテルに行き、車中の人となる。話題の中心はやはり
前日のタイム。そして、今日の天気である。いい天気でレースウィークの
セッションが進んで行って欲しいが、変わりやすい春の天気に加えて、
山合いのサーキットである。
いつも使っている道を通って、サーキット到着。前日に比べて、駐車されている
台数が相当違う。土曜日のサーキットの空気感を感じる。
AGVのブースに入ると、明らかにマウリッツィオが不機嫌なのがわかる。
理由は簡単でルーカがパスポートを失くしたとのこと。ヘルメットのケアを
しながら、善後策を練ることになる。
まぁ、若さから来るパワーやエネルギーを彼から感じることも多いのだが、
時折、彼からはガキの甘さを感じることもある。それが、まともに出たのだろう。
何かあった時のために今回来ている私がやる仕事が少ないことはイコール平和
であるのだが、解決可能かできないのか極めて不透明な仕事が舞い込んでしまった。
まずは、サーキットのインフォメーションに行って、事後対応に追われる
私である。何せ、失くしたものがものであるだけに、帰ることができないと
どえらいことになる。
イタリア大使館の場所や仮パスポートなり、新規のパスポートの発給方法
などをマウリッツィオと話しながら、考える。
125のセッションが始まる。まぁ、親子はどうしてか似てほしくないところ
ばかり似るのだろうか、あるいはメンタル的にへこんでしまったのか、
ルーカ・ビターリは最後尾のタイムを出してはピットに引っ込んでということの
繰り返しである。
一方、トップ集団はキャリアをそれなりに積んでいる連中が揃っている。
デビューイヤーで国内選手権でしか走っていなかった連中はこのサーキットが
初めてなわけで、経験の差は明らかだろう。
MotoGPクラスの時間になり、雨がさらに強くなってきた。そんな中で
チャンスと考えるのがメランドリやカネパであろう。実際、この二人は
エンジンパワーやチームの能力差が縮小されるコンディションでは
ライダーのスキルを発揮して、少しでも前に出ようという気概を見事に
タイムに反映させている。
このサーキットが初めてであり、同じドゥカティのマシンでもエレクトリック
デバイス抜きのカネパの健闘ぶりが目を引いた。
250ccはカレル・アブラハムの気合いの入った走り、ルーカシュ・ペシェック
の戦いぶり、雨大好きのタルマッチのタイムとライディングに目を奪われる。
明日も雨だととんでもないレースになりそうな予感がする。
雨がどんどん強くなっていく中、サーキットのインフォメーションセンターと
警察の詰め所に行って、ルーカのパスポートの紛失届の話をして、対応策を
練る。まぁ、ことがことだけに警察の方もサーキット側もとても心配して
くださっている。
パドックに戻って、イタリアのテレビの音声エンジニアスタッフのところに
顔を出すと、そこに現れたのが、ディレクターと実況と解説担当の二人。
マシンが走らないのと、日本のレースということで、話しをつなごうにも
どうしてもすかすかになってしまうということで、私が呼ばれて、急きょイタリア
の地上波の全国放送にゲスト解説として話すことになってしまった。
まぁ、彼らに頼まれたら断れないし、イタリアのレースファンに知らせたい
ネタを日本人の口からイタリア語で話してもらう方が色々な意味で都合が
いいとのことで、30分ほど話す。
その30分の間に125の予選が250の予選の後に回されること。
そして、状況を見ながら、最終的な決定を測るということが文字情報で
知らされる。
いろいろな質問に答えながら、ゲスト解説を終えて、ブースを出ようとすると
皆から、いいコメントだったと声をかけられる。
子供の頃アナウンサーやディスクジョッキーにあこがれていた私にとっては
うれしい体験であった。
その後、さらに雨は強くなり、何とすべての予選が中止となってしまった。
ライダーはパドック内のレストランでプレステをやるもの。さっさと帰るもの、
明日の準備をするもの、この決定に関して意見を交わすものであふれていた。
予選のグリッドはフリー走行と予選一回目のベストタイムで算出して
決定ということになった。まぁ、今日の午前中のタイムは途中でレインになって
しまったので、実質、前日のフリーのタイムで決まりである。
ルーカのパスポートは何とか見つかり、受け取るだけの態勢になり、一息
着く。お留守番をしたり、声をかけてくれる人にあいさつしたりしながら
過ごして、車中の人となる。
dainese、nolanとsuomiのサービスパーソンはブレンボのスタッフと水戸
に向かうということで、私とマウリッツィオと水戸に戻る。
車内で今季ルーカが走る上でいくら払ったのか、前週のイタリア選手権での
話し、鈴鹿八耐に走ってくれるリッターバイクの経験のあるイタリア人は
いるかなどといった話をしながら、水戸に到着。
何とかパスポートも戻ってきて、食事をした後、マウリッツィオが
マッサージを受けたいということで、スーパー銭湯の一角の整体のコーナー
に行き、私が訳しながらマッサージを受ける。
マッサージ師の話では、かなり腰の具合と体のバランスの方に問題が
あるとのこと。ライダーとして活動していた時の怪我プラス年齢による
ものが重なって体の不具合につながっているようだ。
その後、冷えたコーラを飲んで、明日の出発時間を打ち合わせて、今日は
終了である。明日は晴れるのだろうか。
朝の六時五十分にホテルに行き、車中の人となる。話題の中心はやはり
前日のタイム。そして、今日の天気である。いい天気でレースウィークの
セッションが進んで行って欲しいが、変わりやすい春の天気に加えて、
山合いのサーキットである。
いつも使っている道を通って、サーキット到着。前日に比べて、駐車されている
台数が相当違う。土曜日のサーキットの空気感を感じる。
AGVのブースに入ると、明らかにマウリッツィオが不機嫌なのがわかる。
理由は簡単でルーカがパスポートを失くしたとのこと。ヘルメットのケアを
しながら、善後策を練ることになる。
まぁ、若さから来るパワーやエネルギーを彼から感じることも多いのだが、
時折、彼からはガキの甘さを感じることもある。それが、まともに出たのだろう。
何かあった時のために今回来ている私がやる仕事が少ないことはイコール平和
であるのだが、解決可能かできないのか極めて不透明な仕事が舞い込んでしまった。
まずは、サーキットのインフォメーションに行って、事後対応に追われる
私である。何せ、失くしたものがものであるだけに、帰ることができないと
どえらいことになる。
イタリア大使館の場所や仮パスポートなり、新規のパスポートの発給方法
などをマウリッツィオと話しながら、考える。
125のセッションが始まる。まぁ、親子はどうしてか似てほしくないところ
ばかり似るのだろうか、あるいはメンタル的にへこんでしまったのか、
ルーカ・ビターリは最後尾のタイムを出してはピットに引っ込んでということの
繰り返しである。
一方、トップ集団はキャリアをそれなりに積んでいる連中が揃っている。
デビューイヤーで国内選手権でしか走っていなかった連中はこのサーキットが
初めてなわけで、経験の差は明らかだろう。
MotoGPクラスの時間になり、雨がさらに強くなってきた。そんな中で
チャンスと考えるのがメランドリやカネパであろう。実際、この二人は
エンジンパワーやチームの能力差が縮小されるコンディションでは
ライダーのスキルを発揮して、少しでも前に出ようという気概を見事に
タイムに反映させている。
このサーキットが初めてであり、同じドゥカティのマシンでもエレクトリック
デバイス抜きのカネパの健闘ぶりが目を引いた。
250ccはカレル・アブラハムの気合いの入った走り、ルーカシュ・ペシェック
の戦いぶり、雨大好きのタルマッチのタイムとライディングに目を奪われる。
明日も雨だととんでもないレースになりそうな予感がする。
雨がどんどん強くなっていく中、サーキットのインフォメーションセンターと
警察の詰め所に行って、ルーカのパスポートの紛失届の話をして、対応策を
練る。まぁ、ことがことだけに警察の方もサーキット側もとても心配して
くださっている。
パドックに戻って、イタリアのテレビの音声エンジニアスタッフのところに
顔を出すと、そこに現れたのが、ディレクターと実況と解説担当の二人。
マシンが走らないのと、日本のレースということで、話しをつなごうにも
どうしてもすかすかになってしまうということで、私が呼ばれて、急きょイタリア
の地上波の全国放送にゲスト解説として話すことになってしまった。
まぁ、彼らに頼まれたら断れないし、イタリアのレースファンに知らせたい
ネタを日本人の口からイタリア語で話してもらう方が色々な意味で都合が
いいとのことで、30分ほど話す。
その30分の間に125の予選が250の予選の後に回されること。
そして、状況を見ながら、最終的な決定を測るということが文字情報で
知らされる。
いろいろな質問に答えながら、ゲスト解説を終えて、ブースを出ようとすると
皆から、いいコメントだったと声をかけられる。
子供の頃アナウンサーやディスクジョッキーにあこがれていた私にとっては
うれしい体験であった。
その後、さらに雨は強くなり、何とすべての予選が中止となってしまった。
ライダーはパドック内のレストランでプレステをやるもの。さっさと帰るもの、
明日の準備をするもの、この決定に関して意見を交わすものであふれていた。
予選のグリッドはフリー走行と予選一回目のベストタイムで算出して
決定ということになった。まぁ、今日の午前中のタイムは途中でレインになって
しまったので、実質、前日のフリーのタイムで決まりである。
ルーカのパスポートは何とか見つかり、受け取るだけの態勢になり、一息
着く。お留守番をしたり、声をかけてくれる人にあいさつしたりしながら
過ごして、車中の人となる。
dainese、nolanとsuomiのサービスパーソンはブレンボのスタッフと水戸
に向かうということで、私とマウリッツィオと水戸に戻る。
車内で今季ルーカが走る上でいくら払ったのか、前週のイタリア選手権での
話し、鈴鹿八耐に走ってくれるリッターバイクの経験のあるイタリア人は
いるかなどといった話をしながら、水戸に到着。
何とかパスポートも戻ってきて、食事をした後、マウリッツィオが
マッサージを受けたいということで、スーパー銭湯の一角の整体のコーナー
に行き、私が訳しながらマッサージを受ける。
マッサージ師の話では、かなり腰の具合と体のバランスの方に問題が
あるとのこと。ライダーとして活動していた時の怪我プラス年齢による
ものが重なって体の不具合につながっているようだ。
その後、冷えたコーラを飲んで、明日の出発時間を打ち合わせて、今日は
終了である。明日は晴れるのだろうか。
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