午前中のフリープラクティスは雨が降り、あまり走らなかったり、
全然走らなかった連中が多かった、この最高峰クラス。
レーススタートの時には晴れ上がり、ドライコンディション。

これが何を生み出したのか。

レース開始で、最初のリタイヤは高橋とニッキー・ヘイデン。まだ、
タイヤが温まっていない状態ながら、タイトなコーナーのシビアな
ブレーキングで体制を乱した唯一の日本人ライダーの高橋が、地元で
のレースを一周も走ることなく終えてしまった。

レースが進むにつれて、ヤマハ二台のロッシとロレンツォ、ホンダの
ファクトリー二台のペドロサとドヴィツィオーゾ。そこからしばらくあって
ハヤテレーシングのメランドリが意外な戦闘力の高さを見せて快走し、
後ろから前半のタイムがいま一つだったドゥカティのストーナーが
追いかける展開。

ヤマハ二台とホンダ二台がほぼ等間隔で走る中で、早めの仕掛けを見せたのが
ロレンツォで、ロッシをパスして、先頭に立つ。
ロッシは無理に追いかけずに、タイヤの状況やレース展開を見ながらの
走り。その後ろからホンダの若いスペイン人とイタリア人が追いかける。

今季のプレシーズンテストで印象的なタイムと走りだったスズキのカピロッシ
であるが、ここでは不発。そして、ワークス以外のホンダのタイムが今二つ
であり、序盤にして、優勝争いはヤマハ、ホンダのファクトリーライダー
に限られる状態。

ハヤテというネーミングで、スポンサーのロゴが見当たらないマシンで
メランドリがトップ5で走る望外の展開。そこに前半いま一つだったストーナーが
迫っていく。

ロレンツォは快調であり、ロッシは前を追いかけるというよりは、後ろを
気にしながらの展開。
怪我からの回復やニューマシンとブリヂストンタイヤとのマッチングが
懸念されたレプソルホンダボーイズは前のロッシに迫っていく状況。

中盤以降ロレンツォは十分なマージンを持ちながら、ペース配分を考えた
圧勝。二位にはホンダの二人の攻撃をしのぎながら走りきったロッシ。
三位にはペドロサ、四位にドヴィツィオーゾ、五位に後半ラッシュをかけた
ドゥカティのストーナー。六位にライダーのスキルの高さと意外なマシンの
戦闘力を見せたハヤテのメランドリというレースであった。


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