お葬式という作品で重いテーマを奇妙な明るさで描いて、監督デビュー
した伊丹十三が、ヤクザが悪者で主人公が当局の女性というマルサの女で
旧来のヤクザ映画の在り方をあざやかに否定しつつ、税金の知られざる裏側を
描きました。そして、さらに女性を主人公にして作ったのが
『スーパーの女』でした。

タケノコの偽装問題と自己破産のニュースを目にして思ったのは、『スーパー
の女』でしたね。

まぁ、伊東四朗の怪演ぶりと宮本信子のリアリティのある役とが素晴らしい
対比でアクション映画の色合いがありながら、食品偽装の問題というものを
描かれていた作品ですが、この作品を作るには入念なリサーチがあったはず
ですし、現実感を出すための演出やセットの構成など高いクオリティが
ありました。

昨年の中国産のギョーザの話が出た時には私はグリコ森永事件のことを
思い浮かべたのですが、たけ乃子屋の自己破産申請のニュースを読んだ時には
『スーパーの女』を思い出しましたね。

伊丹十三氏が生きていれば、マルサをテーマに二作作ったように、
スーパーの店長を主人公に二本作品を創造したのか考えてしまった
私でした。

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