オーストラリアの250ccクラスは激しいバトルをマルコ・シモンチェッリが制して、
タイトルへまた一歩近づきました。

125ccクラスで戦っていた時は持て余していたように見えた長い手足が
250ccではそれほどでもなく、彼にフィットして見えます。

そして、そのフィットした様子と彼の走りが非常に速さを感じさせます。

人車一体となった時にライダーが才能を。バイクは性能を発揮するのでしょう。

彼が125ccクラスからステップアップした時に、スタッフの体制や乗っている
バイクなどからすぐに王者候補と考えられていました。

しかしながら、いくつかの不運が重なり、彼は暗黒の時を送りました。
ライダーにとってうまくいっていない一年というのは非常に長く感じる
ものですが、それが二年続きました。

その彼が今季、メティスジレラのマシンで覚醒しました。あるいは
本来持っている能力を発揮できる体制を得て、長い眠りから目覚めました。

当初は市販バイクで、そして好成績を上げてファクトリーバイクを貸与
されて自信を持って走りに集中できる時に彼には勝利の美酒が一度ではなく
何度も浴びれるようになりました。

私と彼とは125ccでデビューした時から知っていて、ほとんど同じなまりの
イタリア語を話し(私の住んでいたリミニから彼の住んでいるリッチョーネ
は電車で20分ほどの距離です)性格的にも合っていたのでサーキットで
うだうだ話すことが多かったので、彼の難しい二年のシーズンを乗り越えて
タイトルに手をかけて残り二レースにのぞむというのは非常にうれしい
ことですね。

大きな欲望と高いスキルを持ったこのライダーは次代の最高峰クラスの
トップライダーになる可能性を秘めています。(実際にアリーチェドゥカティ
あたりは来年の契約の話を持ちかけていたようですが)
その彼の未来の輝かしいレーシングキャリアの最初の勲章はもうそこまで
近づいてきています。

マレーシアのフィニッシュラインをどんな姿で駆け抜けるのか楽しみです。

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