シモンチェッリ タイトルに近づく大きな一勝。
もてぎでの彼は実に素晴らしい週末を送りました。
マルコ・シモンチェッリはかなりタイトルに近づいたと言えるでしょう。

土曜日のポールポジション。そして、レースではホールショットは奪えなかった
ものの、すぐに先頭に立ち、レースを支配。後ろから追いかけられる展開に
なったものの、攻めるときと守るときの切り替えをしっかり行い、落ち着いた
レース運びで勝利を奪いました。

私とこの男とは彼が125で世界に出てきたときから長い付き合いになります。
ほとんど同じようななまりのイタリア語を話し、時間があればうだうだ話していた
彼が125から250にスイッチして美しい未来が待っていると思っていました。

しかし、その年のロッサーノ・ブラッツィ氏の体の状態が思わしくなく、
チームの機能が低下し、不遇の一年を過ごしました。

そして、理想とするチームで戦えずに言わば都落ちのような形で戦ったのが
昨年でした。

しかしながら、彼がいいチームで能力を発揮できる環境を得たら勝てる
ライダーであることを示したのが今年だと思います。

ファクトリーバイクを手に入れて、メーカーからのサポートもあり、
落ち着いて自分の速さや強さをタイムに反映すればいいという状況は
彼の本来の走るべき順位や成績に結びつくようになりました。

成長というよりはくすんでしまった過去からの大いなる帰還のように
思えます。

二年前にこうなるべきであったと申し訳ない思いを抱いているブラッツィも
よろこんでいることでしょう。(写真左側。右はビアッジ、原田、ニエトなどと
250を戦い、現在はポラリスワールドで来年は再びビアッジと組、スーパー
バイクを戦うサンディ氏)

タイトルに大きく近づいた彼がいつタイトルを決めるのでしょうか。
もてぎでの走りは堂々としたものであり、王者にふさわしいものでした。

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