ヴァレンティーノ・ロッシのレース人生がこの先十年あるとは
思えない。そんなレース関係者が次の世代のロッシが誰かを
考えています。メーカー、チーム関係者、ジャーナリストなど
多くの人と触れ合ったり、情報を集めたり、実際にライダーと
話していると色々な未来のスターライダーの名前が出てきます。
日本では知られていない名前ですが、気になるライダーのことを
書きたいと思います。

重いバイクをうまく走らせる能力がある。4ストを苦にしない。
チームやメーカーとの親密な関係性。そして、必要不可欠な
闘争心であったり、身体能力、メンタルの強さなどトップライダー
には不可欠なものがたくさんあります。

私が感じたり、レース業界の住人が思っているライダーで
可能性を秘めている将来のスターライダーというのは
ヨアン・ティベリオ、クラウディオ・コルティ、
ダヴィデ・ジュリアーノ、ルーカ・スカッサ、マキシーム・
ベルジェといったところになります。

すでにティベリオはスーパースポートで勝っていますし、
コルティはSTK600のタイトルホルダーでもあります。
ジュリアーノは昨年、カワサキの600でスーパースポート
で車体で劣勢で(そして、ビトゥーボの今ひとつ競争力に
欠けるサスペンション)ありながら時折輝いて見せた。
スカッサはSTK1000での走りをご存知の方もいらっしゃる
でしょう。ベルジェも昨年のSTK600での果敢な走りに
理解をもっている人もいるでしょう。

この五人をご存知で、将来が楽しみだと思っているレースフリーク
は多いと思います。私はもう一人楽しみなライダーの名前を
挙げたいと思っています。

彼の名前はミケーレ・ピッロ。何だ、125で大して速くなくて
後ろのほうを走っていた奴かと思う日本人が多いと思います。
私も彼がロレンツィオーニバイレオーニヤマハに入って
FIMカップSTK1000選手権とイタリア選手権を走るということを
知ったときにお金を払って乗るライダーだと考えていました。

しかしながら、その考えはあっという間に覆されました。
昨年のチームメイトは評価も高く、期待されていたクラウディオ・
コルティだったのですが、シーズン前の事前テストから
好タイムを連発。彼のメカニックも私が考えていたように
払って乗っているライダーだし、4ストのリッターバイクは
初めてだから大したことないだろうと思っていましたが、
彼はその印象をタイムで覆しました。

昨年の走りはある意味、ライダーが本来持っている能力を
発揮できる場所と環境が与えられたら、力を発揮できて
タイムも順位もいいものを記録できるというレースの世界の
テーマを具現化したものでした。

ミケーレ・ピッロは何かをつかみました。そして、今季も
FIMカップSTK1000選手権とイタリア選手権おSTK1000クラスを
戦います。次代のことを考えている人は彼の名前を理解
していて損はないと思います。

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