驚くべきニュースが入ってきました。またしてもロジャー・
フェデラーが負けてしまいました。今回の相手はアンディ・ロディック。
この米国人にとっては最も力を発揮できるハードコートで
プレイヤーの母国でスイス人にとってはアウェーでの敗戦
となりましたが、どうも色々なことを想像してしまいます。
ひょっとしたら、あるいはかなりの確度でATPのツアープレイヤー
はフェデラーのことをアンビータブルな敵ではないと思い始めて
いるのではないかと思えてきます。

王者の陥落というのは歴史的に見てもそれほど序曲は感じない
ものだったりします。
例えば、1984年のジョン・マッケンローは絶好調でした。
彼はこの年に何と三敗しかしませんでした。
(ロランギャロでのイヴァン・レンドルとのファイブセッター。
ATP選手権でのヴィジャイ・アムリトラジとの試合と
デビスカップでのヘンリク・サンドストロムとのゲーム)

そして、85年も絶好調でシーズンに入りました。
このニューヨーカーの絶対王政が続くのかと思っていたのですが
ボリス・ベッカーとステファン・エドベリの侵攻とライバルの
攻撃から徐々に前の年のような圧倒的な強さを失っていきました。

マッケンローの没落は84年や85年の当初は全く考えられなかった
ことでした。しかし、そんなことがテニスの歴史には起きたり
します。それも何の予想や予兆もなく。

昨年までのほぼ完璧だったフェデラーの姿を見て、スイス人の
絶対王政が続くと思っていた人は世界中に多かったと思います。
しかしながら、歴史は確実に動いています。そして、テニスは
進化しています。

フェデラーのレコンキスタはなるのか。あるいは彼の時代の
終わりの始まりなのか。見守りたいと思います。

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