たたき上げでキャリアを積んできた人には、温室育ちではない
土壌から発せられる毒にも薬にもなるものがある。
土壌の強さやたくましさと同時にありきたりでない目線と
言葉を感じました。

テスト生から四番バッターになり、選手兼監督として南海
ホークスを優勝に導きながら、チームを追われて、他の
チームに移籍し、その後指導者として日本一になった野村克也。

京都の一地方の議会人から出発し、京都府議会から国会へと
転進し、細川内閣に矢を放ち続け、その後、自民、社会、
さきがけの連立内閣の仕掛け人になり、その後、自民、自由、
公明の連立内閣を作り上げた野中広務。

たたき上げの人ならではの芯の強さや頭の良さ(あるいは
柔軟さ)を感じました。

まぁ、立場によって彼らのことをひどく嫌う人というのは
いるでしょうし、支持者の中にも、彼らの内包する毒や
振れ幅の広さを認めたくない人もいると思いますが、
とんでもない勝負師であることは認める人がほとんどだと思います。

その勝たなければいけない勝負に何がなんでも勝とうとする
彼らには温室育ちだったり、王道ではない人間がたどってきた
道から導かれる頂が見えてきます。

好き嫌いは別として、パワーとかスピリットというものを
強く感じさせる一冊でした。
まぁ、お受験させる親は読みたがらないとは思いますけどね。

コメント