パリからの出発でなくても、ポルトガルのどこを通るのか
よくわからなくてもわくわく感を感じるエンスージアストは
たくさんいます。いよいよ日本人がパリダカと呼ぶ伝統の
レースのスタートが近づいてきました。

『冒険の扉を開くのは君だ。君が望むなら連れて行こう。』
ティエリー・サビーヌという勇敢で狂気を秘めた若者が
モーリタニア砂漠を走破するという前代未聞のラリーを
企画し、運営してエントリーするドライバーやライダーたちに
そう言いました。

 美しい女性に危うい部分が存在するように、かわいい子供が
悪魔性を秘めているように、モーリタニア砂漠の美しい
ステージは突然牙をむき出しにすることがあります。

 ただ、美しいだけでなく、厳しさや難しさを内包する
この砂漠を走破したものにダカールの海はやさしい風を
浴びせます。

 カンクネン、バタネン、オリオール、サビー、篠塚、
フォントネ、シュレッサー、クラインシュミットといった
ドライバー。

 ヌブー、オリオリ、ペテランセル、メオーニという
ライダー。

 彼らはいくつものラリーを戦いながら、この過酷なダカールに
何度もやって来てリピートやリベンジをしてきました。
そんな彼らの姿を見てダカールの勝利の重さを感じてきました。

 F1の世界でモナコが特別であるように、耐久レースの世界で
ルマン24時間がワンアンドオンリーであるように、ダカールは
砂漠を舞台にしたレースの頂であり続けています。

 そんなダカールがいよいよ始まります。過酷なラリーの最終日に
誰がシャンパンをぶちまけるのか。楽しみに見守りたいと思います。

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