タイトルに王手をかけてローマ郊外のサーキットに乗り込んできた
テンカーテホンダのジェームズ・トーズランド。僅かな望みを
捨てていない芳賀とビアッジ。諦めが悪いことが美しいこと
であるとしっている二人が勝利を目指して、タイトルを狙って
走ったヴァッレルンガ。

レース1の前日の夜遅くまで、ライダーの速く走りたいという
欲望と我がままをよく理解している男がメカニックたちを指揮
していた。

ジャーコモ・グイドッティである。

元ライダーであり、現在、コロナアルスタースズキでエンジニア
である彼がビアッジの執念を受け止め、熱いハートと同時に
クールな頭で計算して、マシンのセットアップに取り掛かった。

地元で勝ち、そして、何としてもタイトルへの望みをつなげたい
ビアッジの思いに答えようとするチームのクルー。
マシンを仕上げて、日曜のレース1へと向かった。

ベイリスがスーパーポール。そして、サーキットレイアウトと
自らの腕でチャウスが好調であり、芳賀もしっかりまとめてきた
予選。しかし、トーズランドはスーパーポールで転倒して
八番手。

レーススタートして、ビアッジ、ベイリス、チャウスは
良かったが、中団以降でコーサー、ロルフォ、ノイキルフナーが
絡んでしまいゼロ周リタイヤということになった。

レース中盤ベイリスを抜いた、ビアッジは先を急ぎ、逃げを
打つ。朝のフリー走行の時とは全く路面温度になった状況に
とまどいながらも、まとまったマシンセッティングと
地元で勝ちたいという気持ちの強さでリードを広げる。
その走りはトーズランドが『地元のファンを前にした彼は
110%で走っていた』と言わしめるほどのものであった。

優勝はビアッジ。十分はアドバンテージを築いての圧勝で
あった。二位にベイリス。三位はできうる限りの最良の
走りをして表彰台をゲットしたトーズランドであった。

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