パリのロランギャロのバトルが繰り広げられている中、
私はチェコのプレロフの女子の七万五千ドルのチャレンジャー
に行っていました。

私の知っているプレイヤーが参戦しているのがその理由ですが、
それ以外に気になったプレイヤーをご紹介したいと思います。

決勝でマッチポイントを三本も握ったにも関わらず負けてしまった
ザコパローバ。名古屋のスポーツデポでルキシロンのストリングス
を眺めていると、クララ・クーカローバがレコメンドする
ストリングスと顔写真入りのシールが貼ってありますが、
結婚してザコパローバという名前になったのが彼女です。

私は二年前の五月のプラハオープンで彼女のプレイを見ていて
やる気がないのか、力が抜けすぎているような印象を受けて、
なんだかミュージックステーションのタモリの司会を思い出した
のですが、相変わらず、リターンの時はやる気がなさそう
(に見えてしまう)半立ちで力を抜いた状態からフラットで
威力のあるショットを叩いていました。

不調の時はネットにかかってしまい、好調だったら、それが
相手のコートの奥に突き刺さりエースとなる彼女のスタイルは
名前が変わっても変化なく、そのままでした。

そんな彼女がキレキレだったのがセミファイナル。ポイントの
ほとんどが彼女のエースが大部分。彼女のエラーが少々。
そして、彼女のボールに押されて相手がミスすることで
得られたポイントが存在するという試合で、改めて彼女が
好調だったら誰も止められないなと思いましたね。

そのザコパローバにやられてしまったサッラーニでしたが、
彼女の二回戦とQFの試合は見事でした。二回戦ではクレイノーバ
が走れないと見るとゆるいボールとドロップショットを織り交ぜて
翻弄し、ゲームを支配して勝利。

QFではオンジャラスコーバとの激しいバトルになり、競り合いの
中で欲しいポイントが取れずに第一セットを落としてしまい、
セカンドセットもツーサービスダウンで0−3まで行き、
これでこのまま終わりかなと思いました。

しかしながら、ここで中ロブでゆるいリズムを作り、相手の
ボールが浅くなったところを回り込んでフォアのストレート
と逆クロスで叩き込むよりアグレッシブな展開を試み
オンジャラスコバのゲームプランを破壊することを試み、
それを成功させました。

今までやってきた本来の戦略を競り合いながらもセットを落とし
さらに敗戦がリアルなものに感じた時に、捨て去り、違った
形でゲームをデザインして、それを突き進めていったところに
リスクを恐れず、変化を求めた彼女の強さを見ました。

第二セットを奪い、最終セットはベーグルで奪って、敗戦
必至の試合を逆転勝ちした姿は見事なものでした。

彼女のコーチもセカンドセットが0−3になった時点で
もう今日はだめだとあきらめたいたほどですから、この
逆転勝利は彼女の頭とあきらめの悪さが生み出したミラクル
だったと思います。

グランドスラムとは違い、お客さんも大体五十人ほどしかいない
ところでしたが、ザコパローバの本来持っている力と
エッラーニという新しいプレイヤーを見られてハッピーだった
私でした。

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