一昨年、U20ユーロSTK600選手権を戦い、関係者からの評価と
年間ランク三位という成績を手にした彼は昨年多くの交渉を経て
スーパースポート世界選手権に参戦を果たしました。

しかしながら、昨年モデルのカワサキの600というのは
他のメーカーに比べてとりわけ車体面でのハンディがあり、
彼は持っている能力を発揮できない失意とストレスのシーズン
を送りました。

このフランス人ライダーとチームの間にはすきま風が吹き
はじめ、最終戦のフランスラウンドでは彼は出走できなくなり
暗さを感じながら、07年へ向けて交渉を開始しました。

フランス人であることの有利と不利を持ち、多くの関係者と
交渉をした末に出した結論というのは、スーパースポート
世界選手権に出走せずに、再びU20ユーロSTK600選手権を
走るというステップダウンと呼べるものでした。

一度、世界に足を踏み込んだ彼がどんな気持ちでこの結論を
出したのか、想像できますが、きっとつらく苦しいもの
だったでしょう。

そして、彼はまがりなりにも世界選手権のレギュラーライダー
であったわけで、格が落ちる選手権で不覚を取るわけには
いかない。勝利を宿命づけられたプレッシャーの大きい
シーズンとなっています。

そんな彼がヴァレンシアで輝きました。

他のマシンとライダーを寄せ付けない圧勝劇。
改めて彼の才能を印象づけました。

様々なことがうまいこと運んで好成績になった一昨年。

いろいろなことが重なり、うまくいかなかった昨年。

そして、多くのことを考えながら勝利を目指す今年。

彼のレース人生には色々なことが起きましたが、
それを見極めたり、解決したりしながらレース人生を
送っています。

彼の鮮やかな勝利を祝いながら、彼のレース人生を見守り
たいと思います。

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