昨年の終わりにフォレとリバというライダーラインナップを
発表し、さらに最終戦にはカワサキのマシン特性に慣らせる
ためにフランス人ライダーに実戦で走らせる場まで与えた
カワサキにはマキシーム・ベルジェには気の毒でしたが、
メーカーの戦う姿勢ややる気というものを感じました。

その明石のメーカーが新型の600バイクを世に問い、
そして新しい体制で戦いを始めたのですが、どうもシーズン前
のテストは芳しくない状態とタイムを目にして、やはり
今季もホンダとヤマハのバトルになるだろうと考えていました。

そんな私(おそらく同様の印象を世界中のジャーナリストや
専門家、ファンの皆様も)の理解を覆したのが先週のカタール。
何と、GILAUTO SPORTカワサキのフォレとリバは4−5フィニッシュと
いう予想外の快走を見せました。

これは単なる一発なのか、あるいは実力なのか、真価を
考えていながらフィリップアイランドのレースウィークに
突入。何とフォレはポールポジションを獲得し、レースに
臨むことになりました。

少々のグッドラックとライダーのやる気と速く走れる道具を
持った時に実力者はその能力をすき間無く発揮できる。
その真実を改めて示したくれたフォレは最高級のライダー
であると思います。

SBKのレースが終わり、SSのレーススタート。いつものように
スタートが良くなかったフォレですが、大きな遅れはなく
トップグループを追走します。

今回のライバルはヤマハのパークス、ホンダのソフオグルと
シャーペンティエ。前半から中盤、満タン状態を様子を見ながら
走っていた彼ですが、中盤からペースアップ。
ガソリンが空に近くなり、ライバルたちの走りをしっかり
観察し、どこが速く、どこが同等なのか理解した彼は仕掛ける
ポイントで仕掛けて、一発でしとめて前を急ぎます。

考えられたが、考えられないとも思ったカワサキとフォレの
攻撃的な走りに期待感と意外性がサーキットを包み込みながら
レースは最終ラップに。

トップに立ち、反撃を許さないフォレ。ソフオグルのホンダも
懸命にアタックしますが、追いつくが抜き去るまでにはいたらず
最終コーナーからフィニッシュ。

何とカワサキとフォレがオーストラリアを制することになりました。

カワサキのグリーン革命はカワサキヨーロッパの田村氏、
GILAUTOのブノワ、ライダーのフォレ。優れた三頭政治と
この三人を支える秀でたスタッフで続いていきそうな予感がします。

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