メインイベントが棚橋対中邑というドーム級クラスのマッチ
メイク。さらにIWGPのタッグとジュニアタッグがラインナップ
され、それ以外のカードもレベルが高い。それなのに、
昔の黄金期の新日本プロレスよりも、さらにソ連プロレス軍団
が来ていた時の落ち込んでいたときよりもお客さんの入りが
悪かったのは、マッチメイク以外にも理由が複合的に
たくさん存在するような気がする私でした。

どの業界でも長い歴史があればあるほど、山の時も谷の時期も
あると思うのですが、今の新日本プロレスというのははっきり
言ってよくない。逆に言えばそんな時期だからこそ事態を
打開するために、カンフル剤を打ったり、手術をしたりできる
のでしょう。若い(もちろん、実力の裏打ちがあってのこと
だと思いますが)二人のレスラーがメインイベントを取り、
素晴らしい戦いをしてくれました。

若くて元気があって、可能性を感じさせる人によって
業界が劇的に変わることは数年前の女子ゴルフと現在の
女子ゴルフを見ていればよく理解できますが、人気が
出そうで実力を備えている。それに加えてルックスが伴って
いれば観客動員やスポンサー獲得に大きな武器が加わるのは
当然。昔からの猪木信者の数は減っているなということを
会場の空気感から感じましたが、その穴(あえて穴と書きますが)
を棚橋や中邑の戦いを見たさに若い女性の来場数で埋めよう
というのが今日の新日本プロレスのスタンスに思えます。

まぁ、これは正解だと思うのですが、地上波放送の短縮と
時間帯の悪さや世間一般における露出度の低さ、プロレスという
競技のイメージの悪さなどが重なりあって、猪木の持っていた
観客動員力がなくなった後の穴を若い二人が埋め切れていない
印象を抱きましたね。

方向性はいいが、彼らの人気や観客動員力にはまだ新日本プ
ロレスの利益には大きくリンクしていないと全盛期のあの
会社の興行のムードと観客数を知っている私は思ってしまった
私でした。

試合は準地元でひいきのお客さんが多く、元気まんまん(体は
本調子とは言えなかったようですが)に見えた棚橋が
ドラゴンスープレックスで抑えてタイトル防衛。愛知県体育館は
ヒートしていました。

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