ブリヂストンタイヤの有利性はヘレスとここでは顕著なもの
という関係者の声。昨年のここと今年のヘレスでそれは事実と
して認識されていた。そして、今回のもてぎ。初日、予選と
速さと強さを見せていたロリス・カピロッシとデスモセーディチ。
そして、その強い足腰を支えるブリヂストンという名前の
強力な靴。ミシュランの優勢をぶち壊す金曜と土曜の
流れ、そして、ロッシ以外はどうもこのサーキットはヤマハは
伝統的にあっていないのではないか。あるいはヤマハのマシン
がフィットしない状態でもロッシだけはライダーの腕と能力で
速く走れるのではないかという想像が真実に感じてくるフリー
走行と予選を経て迎えた日曜の午後。

スタートダッシュを決めたのはカピロッシ。そして、続いたのが
メランドリで、一度はオーバーテイクに至りそうになるが、
カピロッシが譲らない。ロッシは後方から伺う展開。
ジベルナウのドゥカティも好調で序盤四位を走行。

今回ストーナーがどう動くか不気味な存在であったが、
好調の彼は勢いがつきすぎたのか、レース序盤でリタイア。
ダークホースが消えてしまった今回のもてぎ。

ポイントリーダーのヘイデンは中団から抜け出せない。
トップグループに入って優勝争いしたいのだが、ペースが
あがらずに日曜の午後を最後までミッドフィールドで
過ごすこととなった。

今回勝ちに行き、ブリヂストンの有利さと自信を持っていた
カワサキの中野であったが、勝利に対する欲望がマシンコント
ロールの許容量を超えてリタイア。残念な結果となった。

レース中盤になると、トップを快走するカピロッシ、二位に
メランドリ、三位にロッシという序列。そこから差があり、
ジベルナウのドゥカティ、エリアス、へイデン、足がまだ
まだ回復していないペドロサというオーダー。エドワーズ
のヤマハはその後ろであり、さらにはるか後方にチェカと
エリソンのヤマハ。どうもヤマハはここは合わないようだ。

後半になり、ロッシがタイムアップ。前方のメランドリとの
距離が近くなる。何とかメランドリも二位を確保しようと
抵抗するがロッシにパスされる。

二位にあがったロッシは前方のカピロッシを捕らえようと
タイムペースをあげるが、その攻撃を察知したカピロッシも
ペースアップ。必要なときに必要なだけタイムアップを果たせる
余裕と道具を持っていたカピロッシとドゥカティ&ブリヂストン
陣営であった。

最後はロッシもあきらめて二位キープに。最終ラップは
クルージングでホンダの地元であり、日本メーカーの
眼前で見事な二年連続優勝。強烈な一撃を見舞った週末
であった。

二位にはロッシ、三位にメランドリ。表彰台はイタリア人三人
ということとなった。

以下ジベルナウが四位、後半ポジションアップしたヘイデンが
五位。六位にエリアス、ペドロサが七位、八位にエドワーズ、
九位にロバーツ、トップテン最後は玉田であった。

ブリヂストンの持つ優位性とロッシだからヤマハを二位に
引っ張ることができたこと。そして、ヘイデンに対する私の
評価が間違っていないことを形としてみることができた
今回のもてぎであった。

コメント