あるホンダライダーとの会話。

 『今シーズンホンダのマシンで戦うというチョイスは正直
言って失敗だったと思う。多分、世界一のバイクメーカーも
来年からの800という新マシンの開発と今季のバトルに
人的物的リソースをかけていて、それが停滞につながっていて
逆にアプリリアやKTMのようなメーカーが先を行くことに
なっている。』

 実際にほかの参戦メーカーのマシンと走っていて感じる彼の
言葉は重い。

 さて、そんなホンダのお膝元であるレースの125ccクラス。
トーマシュ・ルティのピットには日本人のホンダスタッフが
かなり人も多く、その人たちがいる時間も長い。色々考えて
いることもあるのだろう。

 さて、あわただしさ漂う日曜日の朝。どうもヨーロッパに
いた時の11時15分という時間より15分早いスタートという
のはせかされている印象を感じながらスタートを迎えた。

 元気なのはアプリリアのバウティスタ、ガデア、ファウベルに
KTMのカリオ、シモン、そしてデルビのペシェックである。
パジーニは出遅れて一コーナーを本人いわく二十番手で
通過することに。

 レースが二周を過ぎて、落ち着いてくる。トップ集団は
チームアスパーとレッドブルのカラーリング。そして、デルビの
真っ赤なマシンである。

 他のメーカーは、、、。マラグーティの小山は実に闘魂
あふれる走りを見せるが、ライダーのスピリットとタイムが
反比例。トップテンを走るのが精一杯。ホンダはメグリオと
ルティが軽い接触でライダーにはダメージは残らなかった
ものの二台ともにリタイア。アプリリアとKTM軍団を追うことが
できない。

 レース中盤では各ライダー落ち着いてマシンやタイヤの
状況を見ながらの戦い。激しく動く前の序曲がひたすら
流れるもてぎ。

 レース終盤になり、カリオがスパート。これに負けまいと
新ワールドチャンピオンのバウティスタが追いかける。
この二人のタイムペースが上がり、トップグループが
二極化されてしまう。三位以下は食い下がろうとするが
追いかけることができない。

 最終ラップに入り、お互いに抜きどころがわかっている
ライバル同士の神経戦が見られたが、先方を行っていた
カリオは巧みにブロック。バウティスタも何とか先を
行こうとするが90度コーナーを刺すことができずにこれで
勝負あり。

 結局ホンダの地元でKTMのカリオが優勝。二位にバウティスタ
のアプリリア、三位に競り合いを制してシモンが表彰台最後の
座に座り、後方から追いかけたパジーニが四位。ペシェック
のデルビ、ファウベルのアプリリア、マシンの戦闘力を
考えると勝利にも匹敵する七位が大健闘の小山。八位に
ホンダ勢トップのスミス、タルマッチのホンダと続き、
テロルのデルビがトップテン最後のライダーとなった。

 今回のバウティスタの二位で彼は総ポイントが300に
達した。97年にヴァレンティーノ・ロッシが獲得した
329ポイントまで残り二戦で29ポイント差。エストリルと
ヴァレンシアでどれだけポイントを上積みできるのだろうか。

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