このレースの直前に行われたSSのレースを終えたばかりの
ヴィッツィエッロに私とピレリのエンジニアが近づいて話を
聞いてみた。これが三時十分ごろ。彼の答えは『路面はかなり
乾いてきている。私だったらフロントにインターミディで
リアはスリックにするが、この風があって、晴れてきていたら
両方ともピット上で考えてスリックというのもありじゃないか』
というものであった。

雨中の戦いを終えてアッセンは一日のうちに違う舞台を用意
しようとしていた。レースディレクションはドライレースを
宣告。各チーム迷った中、ドライタイヤを選択した。

スタートだが、すぐに芳賀のリアにコーサーがぶつかってしまう。
そのまま一コーナーに入り、コーサーは芳賀を道連れにコースアウト。
彼らの第二レースは500メートルで終わってしまった。
この二人のコースアウトにトーズランドは逃げ場を失い、グラベル
に突っ込み、転倒、再スタートとなった。

芳賀、コーサーはリタイア、トーズランドは後方とこれで
楽になったのがベイリスである。ピット、加賀山も抵抗する
もののベイリスの勢いを止められない。差が広がっていく。

二位争いはピットと加賀山であったが、ピットがリードを広げて
いく。三位の加賀山にニエトのカワサキが差を詰めていく。

序盤のフルタンク状態では苦しかったニエトであるが、
燃料を消費するにつれてペースアップ。SBKで初の表彰台の
チャンスを得た彼が獲物を前にスパートを駆ける。

優勝は最後はイージーなサンデーツーリングとなった
ベイリス、二位にこのレースはいつものヘルメットを被った
ピット、三位は最終ラップの最終のシケインで仕掛けて
抜き去ったニエト、四位に加賀山、五位に大健闘のチャウス
であった。

これでベイリスは展開次第ではドイツでのタイトル決定も
ありえることなった。芳賀は二度のノーポイントで土俵際
まで追い詰められてしまい、旧東ドイツエリアのサーキットへ
向かうこととなった。

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