旧ユーゴスラビアの老雄にして、優れた戦略家であり、
実務家であるイビチャ・オシムという男が予算が少ない、
スーパースターのいない、巨大な資本やスポンサーを
有さないJリーグのチームの監督となり、成功を収めたと
理解しています。その彼が日本サッカー協会からオファーを
受けて、この国の代表監督に就任するためのカウントダウンが
進んでいます。

自ら、ビッグチームに向かない監督であることを認め、
小さなチームや下位をうろついているチームを自らの
哲学や考えを基に鍛えて、負け犬根性を拭い去り、
戦う集団にする。高い年棒をもらうプレイヤーが
集まるチームを率いるのではなく、つぶすべき敵として
戦うほうを好むこの男の口から出てくる言葉というのは
なかなか興味深く、示唆にとんだ面白いものであります。

そんなバルカン半島出身者であることがサッカーの人生に
投影され、にじみ出るイビチャ・オシムが代表監督を務める
ことに対して、私は興味を抱きつつも、年齢がちょっとなぁ
という気持ちを持っています。代表監督という仕事をやるには
彼は歳をとりすぎたのではないか。あるいはちょっと遅かった
のではないだろうか。

ファルカンや加茂の後だったらベストだった気がしますし、
フィリップ・トゥルシエの後任だったらベターだった
気もします。

まぁ、ジーコという良くも悪くも強いキャラクターを
持った指導者の後に今までのカラーリングを一新する
にはいい人事である気はします。あとは本人のやる気と
体力と精神力という力がどこまで続くのか見守りたいと
思っています。

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