確かにシャーペンティエの不在はあきらかであった。藤原も
日本で静養中であった。強力なライダー二人がいない中で
優勝を奪うために牙を磨いてミザノアドレアティコに乗り込んで
きた世界の列強たち。藤原の代役のサンナの予選二位や
イタリア選手権で何度も走ったことのあるロッコリの三番手、
ようやく本来の実力を発揮し始めた感のあるダヴィデ・チェカの
予選四番手、ドゥカティSSマシンのいいところを活かした
ザイゼルの好パフォーマンスなど波乱を起こす空気は
アドリア海に面したサーキットに横溢していたのですが、
レースの結果を見て驚きました。

マッシモ・ロッコリとシモーネ・サンナの優勝争いという
いつもとは違う見慣れない光景になった戦い。
このレースを制したのは、マッシモ・ロッコリでした。

ここまでフランス人が勝ち続け、ホンダCBRのライダーのみが
勝利を奪っていた中、そんな日常をぶち破り、秩序を破壊
したのはマッシモ・ロッコリでした。

二位にサンナ、三位にヤマハジャーマニーのパークス。

このロッコリの優勝は新しい何かの始まりなのでしょうか。
スター誕生の瞬間がこのレースウィークにやってきたのでしょうか。

この私のブログにおいて今季スーパースポート世界選手権参戦
という新しい挑戦を始めたマッシモ・ロッコリのインタビューを
お届けしました。私の文章を愛読していただいている皆様には
より深くこの勝利の意味が理解できることでしょう。
そして、私がなぜ日本のレースファンの
皆様に彼のことを取り上げて、知っていただきたかったか
わかっていただけたのではないかと思っています。

マッシモ・ロッコリの優勝は新しい何かを生み出すはずです。

コメント