イギリスでのクラッシュの回復が思わしくない藤原の代役は
誰になるのだろうかと世界中のレースファンが考えていた
のですが、少々意外な名前が出てきました。
今季、イタリア選手権でホンダの600でスーパースポート
クラスを戦うシモーネ・サンナが代役としてメガバイクカラーの
CBR600を駆ることになりました。

今年世界王者を目指す藤原にとってはカタールでのクラッシュ
とオーストラリアの不出走、さらに今回の怪我とノーポイント
レースが続き、シャーペンティエの王者の走りを離れた場所
で見るシーズンになってしまいました。

能力のあるライダーでも時局に乗れないと、こういったことに
なってしまうのだなと思いますね。

でもって代役のサンナについて触れると、私と彼は会えば
話をするような仲であり、いいライダーの有するある部分を
持っているとは思います。

それはまぁ、実戦的であるという点と、ドライでもウェット
でも走れるという部分なのですが、125の2ストロークマシン
での活動が長かったというのが、今日のレースシーンにおいて
ネガティブになっている気がしますね。

IRTA&DORNA体制のMotoGPで、125ccは若年層のライダーに
よる選手権という位置づけがされてしまった。私はベテランや
中堅クラスのライダーでも125のスペシャリストがいたり、
資金的な裏づけやチーム体制などの関係で250はできないが
125で速く走ることができるライダーを排除してしまう
方策になっていて、一貫してこのあり方に否定しています。

若いライダーだけが走れるようなシステムの下でサンナのよう
なライダーが長年走っていた125で活動できなくなってしまい
ほかのカテゴリーを考えてスーパースポートでの参戦形態を
選ぶことになった。しかし、なかなか慣れ親しんだポジション
から違うポジションをやることにフィットできるサッカー選手
や野球選手がいる一方、それが難しいプレイヤーもいます。

サンナには難しいポジションチェンジということになっています。

昨年のイタリア選手権でスーパースポートクラスで王者になり、
本来持っているスキルを600ccマシンにアジャストできる
ようになったのか、あるいは道具の良さとライバルの脱落で
王座を拾ったと言えるのか。藤原やティベリオが走らせた
マシンで彼の実力が測定されようとしています。

難しいが、大きなチャンスであり、ターニングポイントに
なりそうな気がします。

コメント