同じ時期に同じチームで同じ道具を使って戦っていたライダー
同士というのはお互いの実力をリアルに一番よく知っている
のでしょう。ドイツ人のただ一人のSBKライダーであり、
期待されている若手のノイキルフナーは昨年キリと同じチームで
ホンダのリッターバイクを走らせていました。今年のシーズンを
違うチームで戦うことになり、チームメイトという関係では
なくなったのですが、サーキットでは当然ライバルでありながら
かつてのチームメイトという関係である彼らの間で交わされた
言葉というのは、、、、、。

バロスのチームクラッフィ入りで放出される形になってしまった
ノイキルフナー。彼は浪人の危機をドゥカティドイツの
支援を受けることでチームペデルチーニで型落ちのドゥカティ
を走らせるということで切り抜けることができました。

しかしながら、チームの規模も小さく、マシンも最新ではないと
なると戦うというスタンスにならずに、苦戦が続いています。

マシントラブルが続き、満足に走れない状態のモンツァ。
チームペデルチーニのピット裏に昨年までのチームメイトで
あり、怪我でこのレースは走れないキリがやって来ました。

マシンに関すること、チームの状態のことなどを話し合った
後、別れ際にキリはノイキルフナーに言いました。

『マシン的に苦しいことがあるけれど、自分を信じ続けろよ。
自信を失くしちゃいけないぞ。』

キリのレース人生というのは、浮き沈みのあるものでしたし、
苦しい時期というのもあって今日があります。そして、
昨年同じチームで戦っていた彼はノイキルフナーの実力を
冷静に測定できる目を持っています。

その彼のこの言葉というのは何か重みを感じましたね。
四十を過ぎても今なお現役を続け、怪我で走れないときにも
サーキットにやって来てかつてのチームメイトの苦しんでいる
姿を目にして、本来持っている力を出せないドイツ人に
真の理解者として、彼だけが掛けることができ、一年同じ
場所で戦ったからこそ素直に理解して許容できるような
言葉であったように思いました。

コメント