ちょっと前の話になりますが、四月のミザノアドレアティコでの
テストの時にルーカ・カダローラとアレッサンドロ・グラミーニ
が来ていました。年に何回かしか顔を合わさない我々ですが
レースに対する思いというのは同じ磁場を形成しますね。
レースの世界の現在、過去、未来についてぐだぐだ話して楽しい
時を過しました。

そんな我々が集まっているところにやってきたのが、かつて
アプリリアで打倒日本マシンを合言葉にアプリリアという
小さなメーカーで125ccクラスと250ccクラス
においては大きな仕事を成し遂げたヤン・ウィットーベン。
イタリア人のライダー、日本人の通訳、オランダ人エンジニア。
心を開いて昔話を語り、現在のことについて説明してくれました。

グラミーニがヤマハR1の開発に関わっていて芳賀やノリックが
走っている現場に顔を出すのは当然かも知れませんが、そこに
カダローラが来て、さらにウィットーベンが来たのは私が
GPを無邪気に楽しみ、色々な人の支援のおかげでパドックに
入れてもらえるようになり、今より下手だったイタリア語を
必死になって単語を探しながら話していた時代を思い出し、
楽しい会話を楽しむのに必要十分条件があふれていました。

彼らが一堂に集まらないGPになり、そして、SBKの現場に集まった
というのは何かを象徴しているような気がします。

グラミーニがR1について関わり、イタリア選手権を走るのは
当然ですが、カダローラが本人は否定しますが、BMWのMotoGP
プロジェクトに関わり、離れた立場からレースの世界を眺め、
ウィトーベンは二輪、四輪色々なオファーがあったようですが、
部品の製造販売に関するプロジェクトを立ち上げて、ヨーロッパ
を駆け回っている話を聞きました。

立ち居地というのは各々変わっていますが、レースが好きで、
サーキットという土壌とイタリア語という共通言語が美しい
空気を作り出すのは変わっていません。

たまにはこういった昔話もいいものだと思った私でした。

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